法人税法で求められる会計とは

法人税は、法人の所得に対して課せられる税金です。その納税義務者や算定方法についてはは法人税法で規定されています。法人税額は法人税の課税所得に法人税率を掛け、そこから税額控除等を控除して算定します。
法人税の課税所得の金額は、法人税法の収益である益金の額から損金の額を控除して算定すると定められています。(法人税法22条)
ただし、課税所得については『一般に公正妥当と認められる企業会計の基準』に従って計算するとされており、企業会計の利益の計算が『一般に公正妥当と認められる会計処理の基準』によって会計処理が行われていれば、法人税法上の課税所得は企業会計の利益をベースとしてそこに必要な調整額を加減することで算定することが出来ます。(法人税法第22条4項)
『一般に公正妥当と認められる企業会計の基準』が何かについては、会社法及び会社計算規則は特に規定していません。『一般に公正妥当と認められる企業会計の基準』とは、幅広い概念であって複数存在するものとされているため、どのようなものが含まれるかは明言できないものであるとされています。(会社法431条、会社計算規則会社計算規則第3・59条)
ただし、監査基準委員会報告書第24号では、下記のようなものが含まれると例示されています。
【一般に公正妥当と認められる企業会計の基準の例示】

企業会計審議会又は企業会計基準委員会から公表された会計基準

企業会計基準委員会から公表された企業会計適用指針及び実務対応報告

日本公認会計士協会から公表された会計制度委員会等の実務指針及びQ&A

一般に認められる会計実務慣行 (監査基準委員会報告書第24号付録2)
また、同じく監査基準委員会報告書第24号には、明確な企業会計の基準が無い場合等、参考になるものとして、下記のようなものが例示されています。
【明確な企業会計の基準が無い場合の参考例】

日本公認会計士協会の委員会研究報告(会計に関するもの)

国際的に認められた会計基準

税法(法人税法等の規定のうち会計上も妥当と認められるもの)

会計に関する権威のある文献 (監査基準委員会報告書第24号付録2)