在外子会社へ販売した減価償却資産の未実現損益の為替換算

国内会社から在外子会社へ償却資産を売却し、期末にその償却資産の帳簿残高が残っている場合、連結上で当該償却資産の帳簿価額に含まれる未実現損益を消去する仕訳を計上しなければなりません。

その未実現損益の金額は、原則として、売却元である国内会社の円建売却価格に国内会社の利益率を乗じて計算します。

ただし、原則法による算定が困難な場合は、例外として、購入先の在外子会社における外貨建帳簿残高に、売却元の利益率を乗じて算定した外貨建未実現利益金額に、決算時の為替相場、又は、購入先での資産保有期間に基づいて計算した平均相場を乗じて計算することができます。

償在外子会社に売却した償却資産の未実現損益は、購入元の在外子会社の減価償却により部分的に実現させていきます。

そのため、売却時に確定した円建未実現損益は、当該減価償却資産の減価償却方法及び耐用年数等に基づき規則的に戻し入れを行います。
【在外子会社へ売却した償却資産の未実現損益の会計処理】

■売却時に消去する未実現利益
原則:未実現損益=売却元の売却時の円建価額
   ×売却元の利益率
例外:原則の方法が難しい場合下記の方法で
   算定

   未実現損益=購入先の外貨建帳簿残高
        ×売却元の利益率×①又は②

         ①決算時の為替相場
         ②購入先での資産保有期
          間に基づいて計算した
          平均相場

■売却以降の取扱い
売却時に確定した円建未実現利益総額を減価償却方法及び耐用年数等に基づき規則的に戻し入れ
(外貨建取引等の会計処理に関する実務指針第45・78項)
次のページでは、在外子会社から購入した減価償却資産の未実現損益の為替換算について具体的にご紹介します。