理由不明の現金の入金があった場合の会計処理

【理由不明の現金の入金があった場合の会計処理】

入金理由が判明するまで『仮受金』として計上。

入金理由が判明した時点で、適切な科目に振替え。

期末時点までに入金理由が判明しない場合は、『仮受金』から『雑収入』に振替え。

≪仕訳イメージ≫
■不明残発見時
(現金)XXX (仮受金)XXX

■入金理由特定時
(仮受金)XXX (売掛金)XXX

■入金理由特定不能な場合
(仮受金)XXX (雑収入)XXX
理由不明の現金の入金があった場合、入金理由が判明するまでその金額を『仮受金』として計上し、相手勘定で現金を計上、現金の帳簿残高を実際現金有り高と一致させます。

そして、入金理由が判明した時点で、適切な科目に振替えます。

期末時点までに入金理由が判明しないような場合は、『仮受金』から『雑収入』に振替えて、仮受金を清算します。
【参考文献】
仰星監査法人(2023)『勘定科目別仕訳処理ハンドブック/Ⅰ流動資産-現金9⃣入金先が不明の現金がある』株式会社清文社
下記では、理由不明の現金の入金があった場合の会計処理について、具体例を使用してご紹介します。 【参考文献】
仰星監査法人(2023)『勘定科目別仕訳処理ハンドブック/Ⅰ流動資産-現金9⃣入金先が不明の現金がある』株式会社清文社
前提条件
・A社はX1年4月30日に金庫を現金を帳簿残高と突合した
 ところ、帳簿残高より50千円多いことが
 判明した
・調査の結果、X1年5月1日に仮払していた出張旅費の
 返金額20千円の記帳が漏れていることが
 わかった
・X2年3月31日時点で、依然として30千円の不明残が残って
 いるが、これ以上の調査は行わない
 こととした
【A社の会計処理】
① X1年4月30日(不明残発覚時)
借方 貸方
現金 50千円※1 仮受金 50千円※1
※1発覚した不明残
不明残の金額を仮受金に計上し、相手勘定で現金を計上します。
② X1年5月1日(原因発覚時)
借方 貸方
仮受金 20千円※2 仮払金 20千円※2
※2記帳が漏れしていた仮払金返金額
記帳漏れしていた仮払金返金額について、仮払金及び仮払金からマイナスし、相殺します。
③ X2年3月31日(期末時)
借方 貸方
雑収入 30千円※3 仮受金 30千円※3
※3期末時点までに原因不明の金額
期末時点までに原因不明である金額については、仮受金から雑収入に振替えます。
次のページでは、現金の貸借対照表上の表示について具体的にご紹介します。