トレーディング目的で保有する棚卸資産の期末評価

トレーディング目的で保有する棚卸資産は、期末日時点の時価で評価した金額をBSに計上します。

帳簿価額と時価の差額については、PLで当期の損益として計上します。

トレーディング目的は、単に市場価格の変動により利益を得ることを目的として保有しているため、投資家にとって有用な情報は棚卸資産の取得価格ではなく、期末日時点の市場価格であると考えられます。

そのため、トレーディング目的の棚卸資産については、時価をもってBS価額とするとされています。

時価とは、市場価格に基づく公正な評価額です。

ここでいう市場価格とは、市場参加間で秩序ある取引が行われると想定した場合に、その取引により受け取ることのできる売却価格のことを言います。

市場価格が観察でいない場合は、合理的に算定した価額を公正な評価額とします。

また、トレーディング目的で保有する棚卸資産については、売買目的有価証券の会計処理と同様とされています。

そのため、具体的な会計処理については金融商品会計基準及びその適用指針を参照する必要があります。
【トレーディング目的で保有する棚卸資産の期末評価】
BS上:期末日の時価をもって計上
PL上:評価差額は当期の損益として計上
※売買目的有価証券と同様の会計処理を行う
(棚卸資産の評価に関する会計基準第4・16・26-5・26-6・60・61項、時価の算定に関する会計基準第5項)
次のページでは、トレーディング目的で保有する棚卸資産に関する表示について具体的にご紹介します。