立替金とは

立替金は、取引先や従業員などの他者が本来負担すべき金銭を、一時的に会社が立て替えた際に仕訳処理するための勘定科目です。

具体的には、役員や従業員の雇用保険料や、取引先が負担すべき配送料や手数料を立て替えた場合などに使用します。
【立替金とは】
他者が負担すべき金銭を一時的に立て替えた際に資産を計上する勘定科目

≪具体例≫
 ・役員や従業員の雇用保険料の立替
 ・取引先負担の配送料や手数料の立替
立替金は、他者のために金銭を支払っているという点では貸付金と同様ですが、金銭のやり取りが一時的であるという点で両者は異なります。

『立替金』という名目であっても、立替期間が長期になると、貸付金とみなされる場合があるため、留意が必要です。

さらに、立替金には利息が付かないという点も、両者の相違点として挙げられます。

また、仮払金も立替金と混同されがちですが、仮払金が将来会社の費用又は資産として振替えられる見込であるものであるのに対して、立替金は会社の費用とはならない点で両者は異なります。
比較対象 相違点

貸付金

貸付金:①一時的ではない
    ②利息が付く

立替金:①一時的である
    ②利息が付かない

仮払金

仮払金:会社経費又は資産と
    なる見込である

立替金:会社経費又は資産と
    ならない
また、立替金は金融商品に関する会計基準で規定されている『金融資産』に該当し、金融商品に関する会計基準の適用対象となります。

金融商品に関する会計基準では『金融資産とは、現金預金、受取手形、売掛金及び貸付金等の金銭債権』と記載されており、立替金は『金融資産』に該当する項目として明記はされていません。

しかしながら、金融商品会計に関する実務指針では金融資産を『金融資産とは、現金、他の企業から現金若しくはその他の金融資産を受け取る契約上の権利』と定義しており、立替金はこの定義を満たします。

また、国税庁のタックスアンサーNo.5500『一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の対象となる金銭債権の範囲』の中で、立替金は金銭債権と定義されており、貸倒引当金の計上対象として取り扱われています。

上記のことから、立替金は会計基準で規定されている『金融資産』に含まれると判断できます。 (企業会計基準第10号金融商品に関する会計基準第4・52項
金融商品に関する会計基準の公開草案への主なコメントの概要と対応(募集期間平成18年6月6日~平成18年7月5日)『用語の意味』
会計制度委員会報告第14号金融商品会計に関する実務指針第4・212・214・215項
国税庁タックスアンサーNo.5500『一括評価金銭債権に係る貸倒引当金の対象となる金銭債権の範囲』)
次のページでは、立替金を計上するタイミングについて具体的にご紹介します。