受取手形の消滅

【受取手形の消滅】

●消滅を認識するタイミング

 下記のいずれかのタイミングで消滅を認識
 する

  ①契約上の権利を行使したとき
   (満期決済・更生)

  ②権利を喪失したとき
   (不渡)

  ③権利に対する支配が他に移転したとき
   (裏書譲渡・割引)


●受取手形の対価として新たな金融資産を
 取得した場合

 その金融資産を時価により資産計上


●受取手形の帳簿価額と受払額の差額の
 会計処理

 当期の損益として計上
受取手形は、満期決済により回収したとき、裏書譲渡したとき、割引いて現金化したとき、不渡りとなったときなどに消滅を認識し、帳簿残高マイナスします。

また、受取手形の更改を受けた際にも、古い受取手形は一旦消滅させたうえで、新しい受取手形の発生を認識します。 【根拠資料】
企業会計基準第10号金融商品に関する会計基準第8・9・56・57・58・62項・(注4)
受取手形の消滅に伴って、新たな金融資産が発生した場合には、その金融資産を時価により資産計上します。

例えば、受取手形の対価として現預金を受取った場合はもとより、回収代金として株や債券などの有価証券、動産・不動産などの資産を受取った際には、その資産は時価で計上します。 【根拠資料】
企業会計基準第10号金融商品に関する会計基準第13・63項
受取手形の消滅を認識する際には、対象の受取手形の帳簿価額とその対価としての受け払い額との差額を損益として計上します。 【根拠資料】
企業会計基準第10号金融商品に関する会計基準第11・61項
次のページでは、通常の営業取引で約束手形を受取った場合の会計処理について具体的にご紹介します。