個人事業主が自身の所得税を事業用資金から支払った場合の会計処理

【個事業用資金から支払った自身の所得税の会計処理】

自身の所得税は経費計上不可。事業用資金から納税したタイミングで、『事業主貸』勘定に計上。

⇒『事業主貸』は年末の確定申告のタイミン
 グで、『事業主借』勘定との差額を
 『元入金』として計上。


≪仕訳イメージ≫
■納税時
(事業主貸)XXX (現金)XXX

■年末(確定申告)時
(元入金)XXX (事業主貸)XXX
(事業主借)XXX
事業主自身の所得税や住民税等は、事業所得の経費になりません。

その反面、事業のお金とプライベートのお金を区別して会計処理を行い、「事業の取引はすべて、帳簿に記載しなければならない」とされています。

そのため、個人のお金は「現金」として記載できないながらも、事業用資金の入出金については帳簿に記載する必要があります。

この不都合を解消するのが『事業主貸』勘定と『事業主借』勘定です。

個人事業主が事業用資金から自身の所得税を支払った場合は、支払元の現金預金等の勘定残高をマイナスし、相手勘定で『事業主貸』勘定を資産計上します。

この『事業主貸』勘定の残高は、年末の確定申告のタイミングで、『事業主借』勘定との差額を『元入金』勘定へ振替えます。
下記では、個人事業主が自身の所得税を事業用資金から支払った場合の会計処理について、具体例を使用してご紹介します。
前提条件
Aは個人事業主として事業を営んでおり、自身の所得税を下記のように支払ってる。

・毎月10日に月額100千円を事業用口座から納税してる

・年末時点で残高として残っている事業主貸勘定は
 1,200千円である
【Aの会計処理】
① 納税時
借方 貸方
事業主貸 100千円※1 現金預金 100千円※1
※1納税した金額
事業用資金から納税した金額を、該当の口座残高からマイナスし、事業主貸勘定へ計上。
② 年末(確定申告時)
借方 貸方
元入金 1,200千円※2 事業主貸 1,200千円※2
※1年末時点の事業主貸残高
年末時点の事業主貸残高を元入金に振替
次のページでは、個人事業主が自身の住民税を事業用資金から支払った場合の会計処理について具体的にご紹介します。