賃貸等不動産とは
賃貸等不動産の定義
「賃貸等不動産」とは、棚卸資産に分類されている不動産以外のものであって、賃貸収益又はキャピタル・ゲインの獲得を目的として保有される不動産(ファイナンス・リース取引の貸手における不動産を除く。)をいう。したがって、物品の製造や販売、サービスの提供、経営管理に使用されている場合は、賃貸等不動産には含まれない。
(賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準
第4項(2))
会計基準で定義されている「賃貸等不動産」は、下記の3種類に分類されます。
【賃貸等不動産の種類】
①賃貸収益の獲得を目的として保有している不動産
②キャピタル・ゲインの獲得を目的として保有している不動産
③将来の使用が見込まれていない遊休不動産
(賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準第5項)
①賃貸収益の獲得を目的として保有している不動産
②キャピタル・ゲインの獲得を目的として保有している不動産
③将来の使用が見込まれていない遊休不動産
(賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準第5項)
「賃貸等不動産」に該当する不動産については、帳簿上は原則として原価評価(取得原価から減価償却累計額を控除した金額)で表示されますが、投資情報としてその時価等を注記しなければなりません。
(賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準
第11・16・18項)
(賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準
第11・16・18項)
①の賃貸収益の獲得を目的として保有している不動産は、貸借対象表上で、「有形固定資産」として土地・建物・建物付属設備・構築物及び建設仮勘定に、及び、「無形固定資産」として借地権に計上されています。
たとえその目的が”賃貸”することでなくても、形式的に”賃貸”している場合は、賃貸等不動産に該当します。
例えば、連結会社間で親会社が保有している不動産を子会社の本社として賃貸した場合、この取引の主目的は”賃貸”ではなく子会社の運営でありますが、親会社個別で見ると保有している不動産を賃貸していることに他ならないため、賃貸等不動産に該当します。
また、契約上「賃貸」ではなくとも明らかに賃貸していると同様と考えられる不動産は一律に「賃貸等不動産」に該当します。
さらに、将来賃貸のために使用される目的で開発中の不動産や、一時的に借手が存在していない賃貸不動産についても、「賃貸等不動産」に含まれます。
それに対して、ホテルやゴルフ場等の不動産を自らが運営している場合は、賃貸されている不動産には該当しません。
ただし、自らが保有しているホテルやゴルフ場等の不動産を第三者に賃貸し、第三者が運営している場合は、その不動産は「賃貸等不動産」に含まれます。
たとえその目的が”賃貸”することでなくても、形式的に”賃貸”している場合は、賃貸等不動産に該当します。
例えば、連結会社間で親会社が保有している不動産を子会社の本社として賃貸した場合、この取引の主目的は”賃貸”ではなく子会社の運営でありますが、親会社個別で見ると保有している不動産を賃貸していることに他ならないため、賃貸等不動産に該当します。
また、契約上「賃貸」ではなくとも明らかに賃貸していると同様と考えられる不動産は一律に「賃貸等不動産」に該当します。
さらに、将来賃貸のために使用される目的で開発中の不動産や、一時的に借手が存在していない賃貸不動産についても、「賃貸等不動産」に含まれます。
それに対して、ホテルやゴルフ場等の不動産を自らが運営している場合は、賃貸されている不動産には該当しません。
ただし、自らが保有しているホテルやゴルフ場等の不動産を第三者に賃貸し、第三者が運営している場合は、その不動産は「賃貸等不動産」に含まれます。
【①賃貸収益の獲得を目的として保有している不動産のBS表示区分】
有形固定資産/無形固定資産(借地権)
【①賃貸収益の獲得を目的として保有している不動産の判定ポイント】
■ポイント1
判定の基準は形式的に”賃貸”しているかどうか
⇒”賃貸”することが取引の目的でない場合も賃貸等不動産に該当
■ポイント2
契約上「賃貸」ではなくとも明らかに賃貸していると同様であれば「賃貸等不動産」に該当
■ポイント3
将来賃貸のために使用される開発中の不動産も「賃貸等不動産」に含まれる
■ポイント4
一時的に借手が存在していない場合も「賃貸等不動産」に含まれる
■ポイント5
自らが運営している施設は対象外
有形固定資産/無形固定資産(借地権)
【①賃貸収益の獲得を目的として保有している不動産の判定ポイント】
■ポイント1
判定の基準は形式的に”賃貸”しているかどうか
⇒”賃貸”することが取引の目的でない場合も賃貸等不動産に該当
■ポイント2
契約上「賃貸」ではなくとも明らかに賃貸していると同様であれば「賃貸等不動産」に該当
■ポイント3
将来賃貸のために使用される開発中の不動産も「賃貸等不動産」に含まれる
■ポイント4
一時的に借手が存在していない場合も「賃貸等不動産」に含まれる
■ポイント5
自らが運営している施設は対象外
(賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準
第6・24・25・26・27・28項
賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準の適用指針
第4項
賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準及び適用指針(案)に対するコメント(8))
第6・24・25・26・27・28項
賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準の適用指針
第4項
賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準及び適用指針(案)に対するコメント(8))
②キャピタル・ゲインの獲得を目的として保有している不動産は貸借対象表上で「投資その他の資産」に計上されています。
トレーディング目的で保有する不動産についてはこちらに含まれるように思われますが、投資ではなく投機の目的である点で両者は異なり、さらに別途、棚卸資産会計基準において期末時価評価の会計処理が規定されているため、「賃貸等不動産」の対象からは除外されています。
また、賃貸用不動産と同様に投資目的で開発中の不動産についても、「賃貸等不動産」に含まれます。
トレーディング目的で保有する不動産についてはこちらに含まれるように思われますが、投資ではなく投機の目的である点で両者は異なり、さらに別途、棚卸資産会計基準において期末時価評価の会計処理が規定されているため、「賃貸等不動産」の対象からは除外されています。
また、賃貸用不動産と同様に投資目的で開発中の不動産についても、「賃貸等不動産」に含まれます。
【②キャピタル・ゲインの獲得を目的として保有している不動産のBS表示区分】
投資その他の資産
【②キャピタル・ゲインの獲得を目的として保有している不動産の判定ポイント】
■ポイント1
トレーディング目的で保有する不動産については対象外
■ポイント2
投資目的で開発中の不動産も「賃貸等不動産」に含まれる
投資その他の資産
【②キャピタル・ゲインの獲得を目的として保有している不動産の判定ポイント】
■ポイント1
トレーディング目的で保有する不動産については対象外
■ポイント2
投資目的で開発中の不動産も「賃貸等不動産」に含まれる
(賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準
第6・15・19項
賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準の適用指針
第4項)
第6・15・19項
賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準の適用指針
第4項)
③将来の使用が見込まれていない遊休不動産は、貸借対象表上で、「有形固定資産」として土地・建物・建物付属設備・構築物及び建設仮勘定に、及び、「無形固定資産」として借地権に計上されています。
将来の使用が見込まれていない場合は、処分によるキャッシュ・フローしか期待できず、時価が企業にとっての価値を示すものであると考えられます。そのため、時価等の開示対象である「賃貸等不動産」の範囲に含められています。
将来の使用の見込みがあるかどうかは、これまでの使用状況や取得の経緯、使用計画の有無等などに照らして検討しなければなりません。
将来の使用が見込まれていない場合は、処分によるキャッシュ・フローしか期待できず、時価が企業にとっての価値を示すものであると考えられます。そのため、時価等の開示対象である「賃貸等不動産」の範囲に含められています。
将来の使用の見込みがあるかどうかは、これまでの使用状況や取得の経緯、使用計画の有無等などに照らして検討しなければなりません。
【③将来の使用が見込まれていない遊休不動産のBS表示区分】
有形固定資産/無形固定資産(借地権)
【③将来の使用が見込まれていない遊休不動産の判定ポイント】
■ポイント1
将来の使用の見込みは、これまでの使用状況や取得の経緯、使用計画の有無等などに照らして検討
有形固定資産/無形固定資産(借地権)
【③将来の使用が見込まれていない遊休不動産の判定ポイント】
■ポイント1
将来の使用の見込みは、これまでの使用状況や取得の経緯、使用計画の有無等などに照らして検討
(賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準
第23項
賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準の適用指針
第4項
賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準及び適用指針(案)に対するコメント(7))
第23項
賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準の適用指針
第4項
賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準及び適用指針(案)に対するコメント(7))
次のページでは、賃貸等不動産部分とそれ以外で構成させる不動産の取り扱いについて具体的にご紹介します。