将来返還する営業保証金の預り側における会計処理

【将来返還する営業保証金の預り側における会計処理】

 ■預り時の会計処理
  『預り保証金』『受入れ保証金』『長期預り金』等の勘定科目で預り金額を負債計上

 ■預り~返還までの会計処理
  預り金額で据置

 ■返還時の会計処理
  負債計上した勘定科目からマイナス

  ※預り保証金にはワン・イヤー・ルールが
 適用される
   
 短期:流動負債
    長期:固定負債
営業保証金は、将来取引が終了した際には原則として返還するので、預り時において預り金額で負債として計上します。

負債計上の際には、『預り保証金』『受入れ保証金』『長期預り金』等の勘定科目を使用します。

返還義務のある営業保証金の負債勘定には、ワン・イヤー・ルールが適用され、決算日の翌日から起算して1年以内に返還期限が到来するものは流動負債に、決算日の翌日から起算して1年を超えて返還期限が到来するものは固定負債に属します。

預っていた営業保証金を返還した際には、負債計上していた勘定よりマイナスします。 【根拠資料】
会計制度委員会報告第14号金融商品会計に関する実務指針第133・309項
企業会計原則(注16)
下記では、将来返還する営業保証金の預り側における会計処理を、具体例を使ってご紹介します。
前提条件
A社は新規の取引先B社との間で、下記の様な営業保証金の取引を行った。
・X1年4月1日に営業保証金10,000千円を預った
・X2年3月31日にB社との取引が終了し、営業保証金10,000
 千円を返還した
・A社の決算日は3月31日である
【A社の会計処理】
① X1年4月1日(差入時)
借方 貸方
現金預金 10,000千円※1 預り保証金 10,000千円※1
※1営業保証金預り金額
営業保証金を預り額で預り保証金勘定に計上します。
② X2年3月31日(返還時)
借方 貸方
預り保証金 10,000千円※2 現金預金 10,000千円※2
※2営業保証金返還額
返還した営業保証金を、預り保証金勘定からマイナスします。
次のページでは、営業保証金に関連する会計基準を一覧でご紹介します。