時価の無いゴルフ会員権の減損の会計処理
(会社利用目的で取得&株主会員制のケース)

【時価の無いゴルフ会員権の減損の判定】

『実質価額』が『著しく低下したとき』は減損を認識

 ■『実質価額』の評価方法
 
①個別案件ごとに入手可能な情報を整理し、
 最も妥当と判断される方法により評価
  
※主に、ゴルフ会員権発行会社の財務情報
 より算定

 ②大手のゴルフ会員権取引業者に評価鑑定を
 依頼

 ■『著しく低下したとき』とは
  
少なくとも株式の実質価額が取得原価に比べて50%程度以上低下した場合をいう。
  
ただし、回復可能性が十分な証拠で裏付けられる場合は、減損しなくてOK!
ゴルフ会員権は、基本的には、取得価額をもって貸借対照表に計上しますが、著しい価値の下落時がみられるものについては、減損処理を行い、帳簿価額を減損処理後の金額まで引き下げなければなりません。

ゴルフ会員権の減損処理は、有価証券に準じて行うとされています。

そのため、時価の無いゴフル会員権については、発行会社の財政状態の悪化によりその実質価額が著しく低下しており、回復する見込があると認められる場合以外は、減損を認識しなければなりません。

時価のないゴルフ会員権の実質価額は、個別案件ごとに入手可能な情報を整理し、最も妥当と判断される方法により評価するとされてます。

実務上では、主に、ゴルフ会員権発行会社の貸借対照表や損益計算書等の財務情報から実質価額を算定する方法が主流ですが、ゴルフ会員権発行会社によってはそれらの財務情報を公表していない場合があり、公示していても資産の主たるものは土地を含む固定資産部分であるため、回収可能性を判断することが困難であるケースが多いです。

そのように、判断に窮する場合の代替手段としては、大手のゴルフ会員権取引業者に評価鑑定を依頼する方法も考えられます。

『著しく低下したとき』とは、このように算定した実質価額が、少なくとも取得原価に比べて50%程度以上低下した場合をいいます。

ただし、実質価額が著しく低下したとしても、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合には、期末において相当の減額をしないことも認められています。 【参考文献】
企業会計基準第10号金融商品に関する会計基準第21・83項
会計制度委員会報告第14号金融商品会計に関する実務指針第92・135・285・311項
金融商品会計に関するQ&AQ46
長岡勝美(2006)『Q&Aでわかるゴルフ会員権の会計と税務/Q33』税務研究会出版局
【時価の無い株主会員制のゴルフ会員権の減損の会計処理】

■減損損失額
 減損損失額=帳簿価額-実質価額

■減損損失計上方法
 『ゴルフ会員権評価損』等によりゴルフ会員権の帳簿価額を直接減額
判定の結果、減損計上が必要であるとされた場合、ゴルフ会員権の帳簿価額と実質価額の差額を、当期の損失として計上します。

時価の無い株主会員制のゴフル会員権の場合、減損損失は全額、『ゴルフ会員権評価損』等の損失勘定を相手に、ゴルフ会員権の帳簿価額を直接減額します。 【根拠資料】
会計制度委員会報告第14号金融商品会計に関する実務指針第135・311項
金融商品会計に関するQ&AQ46
下記では、時価の無い株主会員制のゴルフ会員権の減損の会計処理を、具体例を使用してご紹介します。
前提条件
A社はX1年3月31日期末時点で株主会員制のゴフル会員権を保有している。
・X1年3月31日のゴルフ会員権の帳簿価額は1,000千円で
 あった
・X1年3月31日時点のゴルフ会員権の実質価額は400千円で
 あった
・X1年3月31日時点のゴルフ会員権の実質価額については
 回復可能性が認められない
・A社の決算日は3月31日
【A社の会計処理】
① X1年3月31日(減損認識時)
借方 貸方
ゴルフ会員権評価損 
       600千円※1
ゴルフ会員権 600千円※1
※1ゴルフ会員権帳簿価額-期末市場価額400千円
ゴルフ会員権の実質価額が帳簿価額の50%以上下落しており、かつ、回復可能性が認められないため、市場価額と帳簿価額の差額を減損損失として、ゴルフ会員権評価損に計上し、相手勘定でゴルフ会員権を減額します。
次のページでは、ゴルフ会員権売却時の会計処理(会社利用目的で取得&株主会員制のケース)について具体的にご紹介します。