払済保険へ変更した養老保険を復旧する場合の会計処理

【払済保険へ変更した養老保険を復旧する場合の会計処理】

払済保険への変更な無かったものとして下記の会計処理を行う。

①変更時点で益金又は損金に算入した額は、
 復旧した日の属する事業年度の損金又は益
 金の額に算入

②変更後に損金の額に算入した額は、復旧し
 た日の属する事業年度の益金の額に算入
払済保険は、一定期間内であれば元の保険契約へ復旧することができます。

復旧した場合は元の保険契約にもどることになるため、払済保険への変更な無かったものとして処理します。

具体的には、払済保険に変更した時点で益金又は損金に算入した額は、復旧した日の属する事業年度の損金又は益金の額に算入します。

さらに、払済保険に変更した後に損金の額に算入した額についても、復旧した日の属する事業年度の益金の額に算入します。

復旧に際して払い込まれた保険料については、当初契約の保険に基づく税務上の会計処理を行います。
下記では、払済保険へ変更した養老保険を復旧する場合の会計処理を、具体例を使用してご紹介します。 【参考文献】
中村慈美・樋口翔太(2022)『企業の保険をめぐる税務/第1章2(2)Q&A17』一般財団法人大蔵財務協会
前提条件
A社は全従業員を対象に養老保険を契約していたが、令和2年3月31日において、払済終身保険に変更している
・払済終身保険への変更時に計上した洗替及び一時払いの会計
 処理は下記の通り
借方 貸方
保険積立金 1,200千円※2 保険積立金 1,000千円※1
雑収入 200千円※3

・令和2年4月15日に払済終身保険から、従来の養老保険に復旧
 した
① 令和2年4月15日(払済終身保険からの復旧時)
借方 貸方
保険積立金 1,000千円※1
雑損失 200千円※3
保険積立金 1,200千円※2
※1既契約の養老保険の払済保険への変更時点資産計上額
※2既契約の養老保険の払済保険への変更時点解約返戻金額
※3貸借差額
払済保険への変更時点の洗替経理処理及び一時払処理を取消、雑収入として計上していた金額は、雑損失として計上します。
次のページでは、養老保険契約の転換の会計処理の概要について具体的にご紹介します。