インボイス制度における受託販売・委託販売の取り扱い

インボイス取扱方法 具体的なルール

委託者が買手に直接交付

委託者が受託者に販売した事実を確認して、自ら買手にインボイスを交付する

■メリット
受託者が適格請求書発行事業者でなくても良い

■デメリット
・交付の手間がかかる
・委託者が買手に知られて
 しまう

受託者による代理交付

委託者の代わりに受託者が買手にインボイスを発行する

≪適用条件≫
インボイスへの委託者の名称とインボイス登録番号の記載が必要

■メリット
・受託者が適格請求書発行事
 業者でなくても良い
・交付の手続きが簡単

■デメリット
委託者が買手に知られてしまう

媒介者交付特例

委託者の代わりに受託者が買手にインボイス(受託者のインボイス登録番号を記載)を発行し、委託者にその写しを提出する

≪適用条件≫
・委託者と受託者が適格請求
 書発行事業者である
・委託者が受託者に適格請求
 書発行事業者である旨を
 
 通知している

■メリット
・委託者の匿名性が保たれる
・受託者のインボイス登録
 番号のインボイスへの記載
 
 不要

■デメリット
発行したインボイスの写しを受託者に提出することが煩雑
受託販売・委託販売を行っている場合、取引実行者と実際の販売者が異なるため、インボイスを買手に発行する方法が、大きく3つのパターンに分かれます。

1つ目は、委託者が受託者に販売した事実を確認して、自ら買手にインボイスを交付する方法です。

この方法だと、受託者は適格請求書発行事業者である必要がないですが、販売の事実確認からインボイスの交付まで手間がかかってしまう上に、委託者の情報が買手に知られてしまうというデメリットがあります。

2つ目は、委託者の代わりに受託者が買手にインボイスを発行する方法です。

この場合、受託者が発行するインボイスには、委託者の名称とインボイス登録番号を記載しなければなりません。

そのため、受託者は適格請求書発行事業者でなくてもよく、さらに1つ目の方法よりも交付に手間がかからないというメリットがありますが、委託者の情報が買手に知られてしまうというデメリットは残ってしまいます。

そこで登場したのが、3つ目の媒介者交付特例を適用する方法です。

媒介者交付特例では、受託者が自らの名称とインボイス登録番号を記載したインボイスを買手に直接発行します。

そして、そのインボイスの写しを委託者に提出すれば良いのです。

これにより、交付の手続の煩雑さを回避すると同時に、委託者の匿名性を保つことができます。

ただし、委託者に請求書の写しを提出しなければならないという、ひと手間がかかります。 【参考文献】
国税庁HPインボイス制度に関するQ&A問48・問49・問122・問123・問124
詳細については、下記のYoutube動画で紹介されています。
次のページでは、インボイス制度における古物商での買取の取り扱いについて具体的にご紹介します。