繰延資産とは

繰延資産の定義

繰延資産とは、すでに代価の支払いが完了し、又は支払い義務が確定し、これに対する役務の提供を受けたにも関わらず、その効果が将来にわたって発生すると期待されるため、その支出額を効果が及ぶ将来期間に費用として合理的に配分する目的で経過的に貸借対照表に資産として計上された項目をいう。(繰延資産の会計処理に関する当面の取り扱い第2項)

創立費や株式交付・社債発行の費用などは、対価の支払い又は支払い義務の確定が完了し、それに対する役務の提供を受けた時点で、費用の発生の要件を満たしているため、原則としてはその時点で費用計上しなければなりません。

ただしこれらの費用は、その効果が将来にわたって発生するという特徴があるため、例外的に支出した費用を一旦資産として計上し、その効果が発生する将来の期間に配分する会計処理が認められています。

この経過的に資産として計上された項目のことを、繰延資産といいます。

繰延資産は、貸借対照表の資産の部に記載しますが、当該資産は費用性資産であり換金価値を持たないため、貸借対照表上、流動資産や固定資産とは区分して、独立した”繰延資産”の項目で表示します。

繰延資産として取り扱うことができる支出としては、下記のものが挙げられます。
【繰延資産として取り扱うことができる支出】

●株式交付費(企業規模拡大のためにする資金
 調達など財務活動に係るもの)

●社債発行費

●新株予約権発行費(資金調達などの財務活動
 に係るもの)

●新株予約権付社債発行費

●創立費

●開業費

●開発費
なお、会計基準の改定前に繰延資産とされていた社債発行差金については、繰延資産ではなく社債額から直接控除する方法で会計処理するとされています。(繰延資産の会計処理に関する当面の取り扱い第1・2項
企業会計原則第三の一D
会社計算規則第七十四条第3項第五号)
繰延資産として計上した費用は、各項目ごとに定められた方法に基づき償却して費用化していきます。

ただし、将来の支出の効果が期待されなくなった繰延資産については、その未償却残高を一時に償却処理します。(繰延資産の会計処理に関する当面の取り扱い第3項)
次のページでは、株式交付費の会計処理について具体的にご紹介します。