住宅兼事務所家賃の消費税区分

【住宅兼事務所家賃の消費税区分】
ケース 消費税区分

賃貸契約書で区分記載する場合

区分ごとの税区分を適用
住宅部分:非課税
家賃部分:10%課税

賃貸契約書で居住用・事業用どちらでも使用できると記載されいている場合

建物の状況等から判断
明らかに住宅用である場合:非課税
上記以外:10%課税

居住用を入居者が黙って事業用としている場合

非課税
(消費税法基本通達6-13-8(注))
※暗黙の了解はNG
消費税法上、居住用の家賃については非課税ですが、居住用以外であれば10%課税対象取引となります。

それでは、住宅兼事務所の場合はどうなるのでしょうか?

住宅兼事務所の場合、賃貸借契約書において、住宅部分と事務所部分の家賃を区分して記載している場合は、それぞれの税区分が適用されます。

賃貸借契約書で区分記載されておらず、『住居用又は事業用どちらでも使用できる』といった記載がある場合は、その実態により税区分が決まります。

具体的には、建物の状況等から明らかに居住用と判断できる場合は、居住用として非課税が適用されますが、それ以外の場合は、10%課税取引となります。

なお、居住用として賃借している物件を、入居者が黙って事業用に使用している場合は、非課税取引となります。 【参考文献】
渡邊浩滋(2023)『不動産賃貸業のインボイス対応 Q&A50: オーナー・管理会社のお悩み解決! /P133~』株式会社税務経理協会
ただし、借主が無断で事業用に利用している場合であっても、不動産オーナーがそれを暗黙に了承している場合、暗黙での契約変更があったとみなされる可能性があります。

例えば、外観に看板を掲げているなど、外から見て明らかに事業用に利用している場合などは、暗黙の契約変更があったとみなされます。

その場合、賃貸借取引が10%課税取引となってしまう上に、インボイスの交付義務が生じます。 【参考文献】
渡邊浩滋(2023)『不動産賃貸業のインボイス対応 Q&A50: オーナー・管理会社のお悩み解決! /P166~』株式会社税務経理協会
次のページでは、FIT認定とインボイス登録事業者について具体的にご紹介します。