不動産所得の青色申告特別控除

【不動産所得の青色申告特別控除】
控除額上限 条件

65万円

①事業的規模である
②複式簿記で記帳
③確定申告時に貸借対照表と損益計算書を添付
④確定申告期限を守る
⑤現金主義の所得計算の特例を選択していない
⑥e-Taxで確定申告又は電子帳簿保存法の「優良な電子帳簿」を保存

55万円

上記①~⑤
※⑥以外

10万円

55万円の青色申告特別控除の条件を満たさない場合
※事業規模以外はこちら
青色申告を行っていれば、不動産所得から青色申告特別控除を受けることができます。

青色申告特別控除額の上限は主に、不動産の賃貸が事業規模か事業規模以外か、及び、e-Taxで確定申告を行うかにより異なります。

不動産の賃貸が事業規模でない場合は、青色申告特別控除は最大でも10万円が上限となります。

不動産の賃貸が事業規模である場合は、e-Taxで確定申告を行っていれば65万円が、そうでなければ55万円が控除の上限となります。

また、青色申告特別控除を受ける場合は、帳簿の備え付けなど、これ以外にも満たさなければならない条件がありますので、ご留意下さい。 【参考文献】
租税特別措置法第25条
【事業規模の判定】
形式/社会通念 判定基準

形式的判定

以下のいずれかに該当する場合は、反証が無い限り事業規模に該当
・アパート等:10室以上
・独立家屋:5棟以上
※駐車場は5台を1室で換算

社会通念上の判定

・家賃収入が年1,000万円以上
・家賃だけで生活が成り立つ等
不動産の貸付が事業規模で行われているかどうかは、形式的判定又は、社会通念上の実質的判定により判断されます。

形式的判定は一般的に『5棟10室』と呼ばれており、アパート等であれば10室以上、戸建であれば5棟以上の規模であれば、反証が無い限り、事業規模であると判断されます。

この判定の際に、駐車場の場合は5台を1室で換算します。

『5棟10室』の形式的判定基準を満たさない場合であっても、家賃収入が年間1,000万円以上、又は、家賃だけで生活が成り立つという条件のいずれかに当てはまれば、社会通念上の実質的判定で事業規模であるとすることができます。 【参考文献】
所得税法基本通達26-9
石井彰男(2018)『不動産投資のお金の残し方裏教科書/P177』ぱる出版
次のページでは、不動産所得における家賃・地代の収入計上時期について具体的にご紹介します。