売掛金に使用する人名勘定

人名勘定とは、取引先別に設けられた勘定科目です。

例えば、得意先Aと得意先Bに対して掛け取引を行っている場合、得意先Aの売掛金を計上する勘定科目として『得意先A』を、得意先Bの売掛金を計上する勘定科目として『得意先B』といったように、取引先の名称をそのまま名称として使用した勘定科目をいいます。

人名勘定を使用することで、勘定科目を使って得意先別の残高や取引実績を管理することができるといったメリットがあります。

その反面、人名勘定の数が多くなると、処理計算が煩雑になるというデメリットもあります。
【人名勘定とは】
取引先別に設けられた勘定科目

●メリット
勘定科目を使って得意先別の残高や取引実績を管理できる

●デメリット
数が多くなると処理計算が煩雑
下記では、売掛金における人名勘定の会計処理について、具体例を使用してご紹介します。
前提条件
A社は得意先Aの売掛金に『得意先A』、得意先Bの売掛金に『得意先B』という人名勘定を設定しており、下記の取引を行った。

・X1年4月1日に得意先Aに対して10,000千円を掛けで
 売り上げた
・X1年5月1日に得意先Bより売掛金の回収として5,000千円が
 当座預金に入金された
【A社の会計処理】
① X1年4月1日(得意先Aへの売上時)
借方 貸方
得意先A 10,000千円※1 売上高 10,000千円※1
※1得意先Aへの売上高
得意先Aへの売上を収益計上し、相手勘定で売掛金の代わりに人名勘定である『得意先A』を資産計上します。
② X1年5月1日(得意先Bからの売掛金回収時)
借方 貸方
現金及び預金 5,000千円※2 得意先B 5,000千円※2
※2得意先Bからの入金額
得意先Bからの入金を現金及び預金に計上し、相手勘定で売掛金の代わりに人名勘定である『得意先B』をマイナスします。
次のページでは、得意先元帳について具体的にご紹介します。