納税準備預金を使って納税した場合の会計処理

【納税準備預金を使って納税した場合の会計処理】

■納税準備預金への預入時
 
納税準備預金等の勘定に預入金額を計上し、相手勘定で入金元とした資産勘定を減額

 ≪仕訳イメージ≫
 (納税準備預金)XXX (普通預金)XXX

■納税準備預金からの納税時
 
納税準備預金を減額し、相手勘定で納税の仕訳を計上
 
※納税準備預金引き出しの際には租税納付の
 ための書類等の提出が必要

 ≪仕訳イメージ≫
 (未払法人税等)XXX (納税準備預金)XXX
納税のための資金を納税準備金預金に預け入れた場合は、『納税準備預金』等の勘定に預入金額を計上し、相手勘定で入金元とした資産勘定を減額する仕訳を計上します。

そして、納税準備預金から資金を引き出して納税を行った場合は、納税準備預金を減額し、相手勘定で納税の仕訳を計上します。

銀行等の金融機関においては、納税の目的のための引き出しかどうかを確認して支払手続きを行うため、引き出しの際には、納付書や納税告知書、その他租税納付のための書類等の提出が必要になります。
【参考文献】
仰星監査法人(2023)『勘定科目別仕訳処理ハンドブック/Ⅰ流動資産-預金38納税準備預金を作成した/39納税準備預金から税金を納付した』株式会社清文社
下記では、納税準備預金を使って納税した場合の会計処理について、具体例を使用してご紹介します。 【参考文献】
仰星監査法人(2023)『勘定科目別仕訳処理ハンドブック/Ⅰ流動資産-預金38納税準備預金を作成した/39納税準備預金から税金を納付した/Ⅳ流動負債-未払金274未払税金を計上し、翌期支払った』株式会社清文社
前提条件
・X1年3日31日に、当期分の法人税、住民税及び事業税
 1,000千円を計上した
・X1年4日1日に法人税、住民税及び事業税納付のための
 資金1,000千円を普通預金から引き出し、
 納税準備預金へ
 入金した
・X1年6月30日に、法人税、住民税及び事業税1,000千円を
 納税準備預金から引き出して支払った
・当社の決算日は3日31日である
【A社の会計処理】
① X1年3日31日(決算日)
借方 貸方
法人税、住民税及び事業税 1,000千円※1 未払法人税等 1,000千円※1
※1当期分法人税、住民税及び事業税額
当期分の法人税、住民税及び事業税を『法人税、住民税及び事業税』勘定に計上し、相手勘定で未払法人税等を負債計上します。
② X1年4日1日(納税準備預金入金時)
借方 貸方
納税準備預金 1,000千円※2 普通預金 1,000千円※2
※2納税準備預金への入金額
引き出した金額を普通預金からマイナスし、入金した金額を納税準備預金に計上します。
③ X1年6月30日(納税時)
借方 貸方
未払法人税等 1,000千円※3 納税準備預金 1,000千円※3
※3納税準備預金からの納税額
納税準備預金から引き出した金額を納税準備預金よりマイナスし、相手勘定で納税した未払法人税をマイナスします。
次のページでは、預入銀行破綻時の納税準備預金の保証制度について具体的にご紹介します。