個人事業主の自宅兼仕事場の家賃や水道光熱費(家事関連費)の会計処理

【自宅兼仕事場の家賃・水道光熱費の会計処理】

使用量や面積などを使って合理的な割合で事業部分とプライベート部分とに按分。事業部分は事業経費として費用計上、プライベート部分は『事業主貸』勘定で資産計上。


≪仕訳イメージ≫
(事業主貸)XXX (現金預金)XXX
(地代家賃)XXX
自宅兼作業場の家賃や水道光熱費など、事業の部分とプライベートの部分が混在しているものを「家事関連費」といいます。

家事関連費は、使用量や面積などを使って合理的な割合で事業部分とプライベート部分とに按分する必要があり、これを「家事按分」といいます。

「家事按分」の結果、事業部分とされれたものは事業経費として費用計上し、プライベート部分となった部分は「事業主貸」勘定で資産計上します。

この「事業主貸」勘定の残高は、年末の確定申告のタイミングで、「事業主借」勘定との差額を「元入金」勘定へ振替えます。
下記では、個人事業主の自宅兼仕事場の家賃や水道光熱費の会計処理について、具体例を使用してご紹介します。
前提条件
Aは個人事業主として事業を営んでおり、下記の取引を行った。

・自宅兼仕事場の家賃20万円を、毎月、事業用資金口座から
 支払っている

・自宅兼仕事場の家賃家賃は、面積比率で70%事業経費、
 30%個人生活費として家事按分している

・年末時点で残高として残っている事業主貸勘定は
 1,200千円、事業主借勘定は1,000千円である
【Aの会計処理】
① 家賃支払時
借方 貸方
地代家賃 140千円※2
事業主貸 60千円※3
現金預金 200千円※1
※1家賃支払い総額
※2支払家賃200千円×70%
※3支払家賃200千円×30%
支払った現金預金をマイナスし、相手勘定で、事業用に供している部分70%分を地代家賃として事業経費に、残額を事業主貸勘定で資産計上。
② 年末(確定申告時)
借方 貸方
事業主借 1,000千円※4
元入金 200千円※6
事業主貸 1,200千円※5
※4年末時点の事業主借残高
※5年末時点の事業主貸残高
※6貸借差額
年末時点の事業主貸残高と事業主借残高の差額を元入金に振替
次のページでは、個人事業主の事業用口座の預金利息の会計処理について具体的にご紹介します。