賃貸等不動産に関する注記を省略する場合の重要性の判断

賃貸等不動産の総額に重要性が乏しい場合は、賃貸等不動産に関する注記を省略することができます。

賃貸等不動産の総額の重要性が乏しいかどうかは、賃貸等不動産の貸借対照表日における時価(賃貸等不動産の簿価+賃貸等不動産の含み損益)を期末における総資産簿価に賃貸等不動産の含み損益を加算した金額で除した比率によって判断します。

この計算において、総資産全体を時価することは時価評価の対象範囲及びその開示が明確でないことから、客観性を保つために時価評価の対象は賃貸等不動産のみとされています。

ただし、この比率がどれぐらいであれば重要性があると判断されるかといった具体的な基準は設けられておらず、個々のケースで適切に判断するとされています。

重要性の判断で使用する賃貸等不動産の「時価」については、原則的な方法で算定された時価以外に、『一定の評価額や適切に市場価格を反映していると考えられる指標」及び、建物等の償却資産であれば「適正な帳簿価額」を用いることができます。

また、賃貸等不動産の総額の重要性が明らかに乏しいと判断される場合には、重要性の判定を行うことなく注記を省略することができます。
【賃貸等不動産の総額に重要性の判断基準基準値の算出】

重要性の判断の基準値
 =賃貸等不動産の貸借対照表日における時価
 (賃貸等不動産の簿価
 +賃貸等不動産の含み損益)
            ÷(総資産簿価+賃貸等不動産の含み損益)

※「時価」には、原則的法の時価、一定の評価額や適切に市場価格を反映していると考えられる指標、及び、
  償却資産であれば「適正な帳簿価額」を用いることができる

※賃貸等不動産の総額の重要性が明らかに乏しい場合は、判定不要で注記を省略可
(賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準
第8項
賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準の適用指針
第8・23項
賃貸等不動産の時価等の開示に関する会計基準及び適用指針(案)に対するコメント(15)・(16))
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