営業外受取手形に含まれる金利部分の会計処理
【営業外受取手形に含まれる金利部分の
会計処理】
①金利部分に重要性が有る場合
利息部分を償却原価法で決済日までの各期
の損益に配分
原則:利息法
例外:定額等
≪仕訳例≫
■営業外受取手形受領時
(営業外受取手形)XXX (諸勘定)XXX
※手形本体部分の金額のみ
■利息部分計上時
(営業外受取手形)XXX (受取利息)XXX
②金利部分に重要性が無い場合
金利部分を区別せず手形受領時に
全額営業外受取手形計上してOK!
会計処理】
①金利部分に重要性が有る場合
利息部分を償却原価法で決済日までの各期
の損益に配分
原則:利息法
例外:定額等
≪仕訳例≫
■営業外受取手形受領時
(営業外受取手形)XXX (諸勘定)XXX
※手形本体部分の金額のみ
■利息部分計上時
(営業外受取手形)XXX (受取利息)XXX
②金利部分に重要性が無い場合
金利部分を区別せず手形受領時に
全額営業外受取手形計上してOK!
営業外受取手形の発生から回収まで一定の期間がある場合には、その営業外受取手形には金利部分が含まれていると考えられます。
この場合、金利部分相当額は、手形本体部分をとは区分処理して、償却原価法により決済期日までの各期の損益に配分し、受取利息として計上します。
ただし、全ての営業外受取手形を区分処理するのは、実務上煩雑であるという理由から、重要性があるもののみ区分処理を行い、それ以外は金利部分も受領時の営業外受取手形に含めて会計処理することができます。
償却原価法は、原則として利息法によりますが、簡便法である定額法を採用することも認められています。
この場合、金利部分相当額は、手形本体部分をとは区分処理して、償却原価法により決済期日までの各期の損益に配分し、受取利息として計上します。
ただし、全ての営業外受取手形を区分処理するのは、実務上煩雑であるという理由から、重要性があるもののみ区分処理を行い、それ以外は金利部分も受領時の営業外受取手形に含めて会計処理することができます。
償却原価法は、原則として利息法によりますが、簡便法である定額法を採用することも認められています。
【根拠資料】
企業会計基準第10号金融商品に関する会計基準第14・68項・(注5)
企業会計基準第10号金融商品に関する会計基準第14・68項・(注5)
下記では、営業外受取手形に含まれる金利部分を償却原価法で各期の損益に配分する場合の会計処理について、具体例を使用してご紹介します。
前提条件 |
---|
A社は小売業を営んでおり、得意先B社との間で下記の取引を行った。
・X1年4月1日にB社への未収金1,000千円の支払いとして、 約束手形1,124千円を受領した ・受領した約束手形の満期日はX3年3月31日である ・営業外受取手形の額面には元本部分金額に 年利6%(1年複利)の金利部分が含まれている ・X3年3月31日に手形が満期となり1,120千円が当座預金に 入金された ・上記の手形の利息部分の会計処理は償却原価法を適用する ・A社の決算日は3月31日 |
【原則法(利息法)の場合】
① X1年4月1日(手形受領時)
① X1年4月1日(手形受領時)
借方 | 貸方 |
---|---|
営業外受取手形 1,000千円※2 | 未収金 1,000千円※1 |
※1決済した未収金額
※2受領した約束手形金額の元本部分
※2受領した約束手形金額の元本部分
決済した未収金をマイナスすると同時に、相手勘定で約束手形の元本部分を営業外受取手形に計上します。
② X2年3月31日(1年目決算日)
借方 | 貸方 |
---|---|
営業外受取手形 60千円※3 | 受取利息 60千円※3 |
※3営業外受取手形帳簿価額1,000千円×利率6%
営業外受取手形の帳簿価額に利率を掛けて当期に帰属する利息部分を算定し、受取利息として収益計上します。相手勘定では同額を営業外受取手形の帳簿価額に加算します。
③ X3年3月31日(2年目決算日&決済時)
借方 | 貸方 |
---|---|
営業外受取手形 64千円※4
現金預金 1,124千円※6 |
受取利息 64千円※4
営業外受取手形 1,124千円※5 |
※4営業外受取手形帳簿価額1,060千円×利率6%
※5営業外受取手形受領時計上額1,000千円
+1年目受取利息60千円+2年目受取利息64千円
※6決済に伴う入金額
※5営業外受取手形受領時計上額1,000千円
+1年目受取利息60千円+2年目受取利息64千円
※6決済に伴う入金額
営業外受取手形の帳簿価額に利率を掛けて当期に帰属する利息部分を算定し、受取利息として収益計上します。相手勘定では同額を営業外受取手形の帳簿価額に加算します。決済に伴うキャッシュインは現金預金勘定に計上し、相手勘定で営業外受取手形の帳簿残高をマイナスします。
【簡便法(定額法)の場合】
① X1年4月1日(手形受領時)
① X1年4月1日(手形受領時)
借方 | 貸方 |
---|---|
営業外受取手形 1,000千円※2 | 未収金 1,000千円※1 |
※1決済した未収金額
※2受領した約束手形金額の元本部分
※2受領した約束手形金額の元本部分
決済した未収金をマイナスすると同時に、相手勘定で約束手形の元本部分を営業外受取手形に計上します。
② X2年3月31日(1年目決算日)
借方 | 貸方 |
---|---|
営業外受取手形 62千円※3 | 受取利息 62千円※3 |
※3(営業外受取手形額面1,124千円
-営業外受取手形帳簿価額1,000千円)
÷24カ月(X1年4月1日~X3年3月31日)
×12カ月(X1年4月1日~X2年3月31日)
-営業外受取手形帳簿価額1,000千円)
÷24カ月(X1年4月1日~X3年3月31日)
×12カ月(X1年4月1日~X2年3月31日)
利息相当額の総額の内、当期の期間に帰属する部分を月割計算して受取利息に計上します。相手勘定では同額を営業外受取手形の帳簿価額に加算します。
③ X3年3月31日(2年目決算日&決済時)
借方 | 貸方 |
---|---|
営業外受取手形 62千円※4
現金預金 1,124千円※6 |
受取利息 62千円※4
営業外受取手形 1,124千円※5 |
※4(営業外受取手形額面1,124千円
-営業外受取手形帳簿価額1,000千円)
÷24カ月(X1年4月1日~X3年3月31日)
×12カ月(X2年4月1日~X3年3月31日)
※5営業外受取手形受領時計上額1,000千円
+1年目受取利息62千円+2年目受取利息62千円
※6決済に伴う入金額
-営業外受取手形帳簿価額1,000千円)
÷24カ月(X1年4月1日~X3年3月31日)
×12カ月(X2年4月1日~X3年3月31日)
※5営業外受取手形受領時計上額1,000千円
+1年目受取利息62千円+2年目受取利息62千円
※6決済に伴う入金額
利息相当額の総額の内、当期の期間に帰属する部分を月割計算して受取利息に計上します。相手勘定では同額を営業外受取手形の帳簿価額に加算します。決済に伴うキャッシュインは現金預金勘定に計上し、相手勘定で営業外受取手形の帳簿残高をマイナスします。
次のページでは、外貨建営業外受取手形の会計処理について具体的にご紹介します。