在外子会社等の内、現地通貨以外の外国通貨で会計帳簿を記録し財務諸表を
作成している場合の為替換算

在外子会社等の財務諸表は、一般的に、その在外子会社等が所在する国の現地通貨で記録した会計帳簿から作成します。

ただし、在外子会社等の外貨建取引を現地通貨以外の外国通貨で記録することが合理的だと認められる場合は、取引発生時の外国通貨で記帳できます。

在外子会社等の取引状況によっては、使用する外国通貨が一つのではなく複数の場合もあります。

現地通貨以外の外国通貨で記録することが合理的だと認められる場合の具体例としては、下記の様なケースが挙げられます。
【現地通貨以外での記録が合理的である
               ケース】

①多額の現地通貨以外の外貨建債権債務を
 保有している

②多額の現地通貨以外の外貨を保有している

③恒常的に決済に利用される通貨が現地通貨
 でない
現地通貨以外の外国通貨で会計帳簿を記録している場合、”外国通貨による記録”と同様に、各月末等、一定時点における直物為替相場又は、換算対象の取引が属する一定期間を基礎として計算した平均為替相場で、現地通貨に換算したうえで、円換算します。

この場合の会計記録の方法は、多通貨会計ガイドラインに具体的に示されています。

ただし、現地通貨以外の外国通貨による取引が中心で、当該通貨が決済に恒常的に用いられており、当該現地通貨以外の外国通貨により記録している場合には、現地通貨以外での記録で作成された財務諸表を、現地通貨に換算替えすることなく、直接円建てに換算することができます。

その際に発生する換算差額は、為替換算調整勘定に計上します。
【現地通貨以外で記録されている場合の
             期末換算処理】

原則:現地通貨に換算替後、円建に換算替え
   (CR又はARを使用)
   ※具体的な会計記録方法は多通貨会計
    ガイドラインを参照

例外:現地通貨に換算することなく円建に
   換算替えし、為替差額は
   為替換算調整勘定に計上
   ※ただし、下記の条件を全て満たす
    場合のみ
    ①現地通貨以外の外国通貨による
     取引が中心
    ②当該現地通貨以外の通貨が決済に
     恒常的に用いられている
    ③当該現地通貨以外の外国通貨によ
     り記録している
(外貨建取引等の会計処理に関する実務指針第31・70項)
次のページでは、在外子会社等に係るその他の包括利益の連結包括利益計算書又は連結損益及び包括利益計算書における取扱いについてご紹介します。