外貨建取引で換算に使用する期中平均相場とは

期中平均相場は、在外子会社及び在外支店の収益・費用の換算、償却原価法における償却額の換算、多通貨会計における換算等で用いられます。

換算に使用する期中平均相場は、換算対象の収益及び費用が帰属する月又は半期等の期間を算定期間として、その平均相場を用います。

具体的には、下記のようなものが挙げられます。
【期中平均相場の具体例】

●月間平均相場

●半期間平均相場

●年間平均相場

※換算対象の収益及び費用が帰属する期間を
 算定期間とする
【参考文献】
外貨建取引等会計処理基準(注12)
【3種類の為替相場】
為替相場の種類 内容/用途

T.T.S
(電信売相場)

仕入れその他の費用の換算に用いる。
銀行側から見て、外貨を”売る”相場である。

T.T.B
(電信買相場)

売上げその他の収入の換算に用いる。
銀行側から見て、外貨を”買う”相場である。

T.T.M
(電信売買相場の仲値)

法人税法において原則として換算に使用される。
上記で登場する期中平均相場には、それぞれさらに、T.T.S(電信売相場)、T.T.B(電信買相場)、T.T.M(電信売買相場の仲値)の3種類の為替相場が存在します。

T.T.S(電信売相場)は、銀行側からみて外貨を売る取引に適用される相場です。

そのため、外貨建の債務・仕入高・その他費用など、企業の立場から外貨を支払わなければならない(=銀行から外貨を買わなければならない)取引の換算に使用します。

その反対に、T.T.B(電信買相場)は、銀行側からみて外貨を買う取引に適用される相場です。

そのため、外貨建の債権・売上高・その他収入など、企業の立場から外貨を受取る(=受取った外貨を銀行へ売る)取引の換算に使用します。

T.T.Mは電信売買相場の仲値であり、法人税法においては、原則としてこのレートを使用して換算しなければなりません。
【参考文献】
仰星監査法人(2023)『勘定科目別仕訳処理ハンドブック/Ⅰ流動資産-現金⒔外国通貨を受取った』株式会社清文社
次のページでは、外貨建取引で換算に使用する決算時の直物為替相場とは具体的にどのようなものかをご紹介します。