在外子会社の株式持分比率が増加した場合の会計処理

在外子会社の株式持分比率が増加した場合の会計処理は、基本的には通常の内国子会社と同様です。

具体的には、追加取得した持分相当の『非支配株主持分』を、追加取得のための投資と相殺して減額し、両者の差額を資本剰余金に計上します。
【追加取得の仕訳】
(非支配株主持分)×××   (子会社株式)×××
(資本剰余金)×××
追加取得の仕訳における各勘定科目の金額は、下記のように算定します。
科目 金額

子会社株式

外貨建追加取得価額×追加取得時為替相場

非支配株主持分

在外子会社の決算時外貨建純資産額×追加取得比率%
×決算時の為替相場

資本剰余金

貸借差額
追加取得仕訳の際に非支配株主持分と相殺する追加取得した子会社株式は、外貨建取得価額を追加取得時の為替相場で換算して円価額を算定します。 (外貨建取引等会計処理基準一1・一2(1)(c)ハ
外貨建取引等の会計処理に関する実務指針第17・60項)
追加取得より減額する非支配株主持分は、在外子会社の決算時外貨建純資産額の追加取得比率分に、決算時の為替相場を掛けて算定します。

連結貸借対照表で計上される円建非支配株主持分は、通常、外貨建非支配株主持分相当額を決算時の為替相場で換算した金額となっています。

なぜならば、在外子会社の換算差額である『為替換算調整勘定』の内、非支配株主持分相当額は、連結貸借対照表上で『非支配株主持分』に振替えられているからです。

そのため、追加取得により減額する『非支配株主持分』についても、決算時の為替相場により換算した金額と一致します。 (外貨建取引等の会計処理に関する実務指針第41(1)・75項・設例12)
次のページでは、在外子会社の株式持分比率が減少した場合の会計処理について具体的にご紹介します。