在外子会社の資本連結
在外子会社の連結手続きは、財務諸表の円換算及び為替換算調整勘定の取り扱いを除けば、基本的には国内子会社と同様です。
具体的には、下記の手順で資本連結を行います。
具体的には、下記の手順で資本連結を行います。
【在外子会社の資本連結のステップ】
ステップ1
⇒在外子会社の現地通貨建財務諸表で資産
・負債の評価差額の修正仕訳を計上する
ステップ2
⇒在外子会社の財務諸表を円換算
する(為替換算調整勘定を計上)
ステップ3
⇒連結会社の財務諸表を合算する
ステップ4
⇒連結修正仕訳を計上する
ステップ1
⇒在外子会社の現地通貨建財務諸表で資産
・負債の評価差額の修正仕訳を計上する
ステップ2
⇒在外子会社の財務諸表を円換算
する(為替換算調整勘定を計上)
ステップ3
⇒連結会社の財務諸表を合算する
ステップ4
⇒連結修正仕訳を計上する
下記では、在外子会社の資本連結について、具体例を使用してご紹介します。
(参考:外貨建取引等の会計処理に関する実務指針設例11)
前提条件 | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日本法人であるA社はX1年3月31日に、アメリカに本社を置くZ社の株式80%を4,000千USDで取得し、連結子会社とした。
・X1年3月31日におけるZ社の帳簿価額1,500千USDの土地の 時価は、1,800千USDであった ・土地以外のZ社のX1年3月31日の資産及び負債については 時価評価差額はない ・X1年3月31日の為替相場は@100円/USDであった ・X1年3月31日におけるA社の貸借対照表は下記の通りで あった
・X1年3月31日におけるZ社の貸借対照表は下記の通りで あった
・A社Z社ともに、決算日は3月31日である |
【Z社の外貨建て財務諸表の修正】
① 土地の評価差額の計上
① 土地の評価差額の計上
借方 | 貸方 |
---|---|
土地 300千USD※1 |
繰延税金負債 120千USD※2
評価差額 180千USD※3 |
※1Z社土地の支配獲得時時価1,800千USD-Z社土地の帳簿価額
1,500千USD
※2Z社土地評価差額300千USD×実効税率40%
※3Z社土地評価差額300千USD-繰延税金負債120千USD
1,500千USD
※2Z社土地評価差額300千USD×実効税率40%
※3Z社土地評価差額300千USD-繰延税金負債120千USD
Z社の資産及び負債をA社が支配獲得した時点の時価で評価替えします。
評価差額については、税効果を加味した金額で計上します。
評価差額については、税効果を加味した金額で計上します。
資産・負債の評価替え後のZ社の外貨建て貸借対照表は下記のようになります。
貸借対照表(単位:千USD) | |
---|---|
現金預金 2,900
商品 600 土地 1,800 |
借入金 1,300
繰延税金負債 120 資本金 3,000 利益剰余金 700 評価差額 180 |
5,300 | 5,300 |
【Z社の貸借対照表の円換算】
② Z社の外貨建て貸借対照表を円換算します。
② Z社の外貨建て貸借対照表を円換算します。
貸借対照表(単位:千円) | |
---|---|
現金預金 290,000※4
商品 60,000※4 土地 180,000※4 |
借入金 130,000※4
繰延税金負債 12,000※4 資本金 300,000※5 利益剰余金 70,000※5 評価差額 18,000※5 |
530,000 | 530,000 |
※4決算時の為替相場@100円/USDで円換算
※5支配獲得時の為替相場@100円/USDで円換算
※5支配獲得時の為替相場@100円/USDで円換算
【連結会社の財務諸表を合算する】
③ A社とz社の円建貸借対照表を合算します
③ A社とz社の円建貸借対照表を合算します
合算したA社の連結貸借対照表は下記のようになります。
貸借対照表(単位:千円) | |
---|---|
現金預金 390,000
商品 560,000 土地 180,000 Z社株式 400,000 |
借入金 260,000
繰延税金負債 12,000 資本金 1,100,000 利益剰余金 140,000 評価差額 18,000 |
1,530,000 | 1,530,000 |
【連結修正仕訳】
④ Z社株式とZ社の資本を相殺消去します
④ Z社株式とZ社の資本を相殺消去します
借方 | 貸方 |
---|---|
資本金 300,000千円※6
利益剰余金 70,000千円※6 評価差額 18,000千円※6 のれん 89,600千円※9 |
Z社株式 400,000千円※7
非支配株主持分 77,600千円※8 |
※6Z社資本項目帳簿価額
※7Z社株式取得価額4,000千USD×取得時為替相場
@100円/USD
※8(資本金300,000千円+利益剰余金70,000千円
+評価差額18,000千円)×少数株主持分20%
※9(取得時Z社純資産価額3,880千USD×取得比率80%
-Z社株式取得価額4,000千USD)×決算時為替相場
@100円/USD
※7Z社株式取得価額4,000千USD×取得時為替相場
@100円/USD
※8(資本金300,000千円+利益剰余金70,000千円
+評価差額18,000千円)×少数株主持分20%
※9(取得時Z社純資産価額3,880千USD×取得比率80%
-Z社株式取得価額4,000千USD)×決算時為替相場
@100円/USD
Z社の資本項目を円建帳簿価額で借方計上して、取り消します。
相手勘定としては、A社の資産として計上してたZ社株式及び非支配株主持分を貸方計上します。
最後に、取得時Z社純資産額の外貨建価額とZ社株式取得価額の差額を決算時のレートで円換算した金額をのれんとして計上します。
相手勘定としては、A社の資産として計上してたZ社株式及び非支配株主持分を貸方計上します。
最後に、取得時Z社純資産額の外貨建価額とZ社株式取得価額の差額を決算時のレートで円換算した金額をのれんとして計上します。
連結修正仕訳計上後のA社の連結貸借対照表は下記のようになります。
貸借対照表(単位:千円) | |
---|---|
現金預金 390,000
商品 560,000 土地 180,000 のれん 89,600 |
借入金 260,000
繰延税金負債 12,000 資本金 800,000 利益剰余金 70,000 非支配株主持分 77,600 |
1,219,600 | 1,219,600 |
翌期の会計処理は、下記のようになります。
追加前提条件 | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
・のれんは10年間で均等償却する ・Z社の税引後当期純利益は100千USD ・当期の期中平均レートは@110円/USD ・当期の期末レートは@120円/USD ・X2年3月31日におけるA社の貸借対照表は下記の通りで あった
・X2年3月31日におけるZ社の貸借対照表は下記の通りで あった
|
【Z社の外貨建て財務諸表の修正】
⑤ 土地の評価差額の計上
⑤ 土地の評価差額の計上
借方 | 貸方 |
---|---|
土地 300千USD※1 |
繰延税金負債 120千USD※2
評価差額 180千USD※3 |
※1Z社土地の支配獲得時の時価1,800千USD-Z社土地の
帳簿価額1,500千USD
※2Z社土地評価差額300千USD×実効税率40%
※3Z社土地評価差額300千USD-繰延税金負債120千USD
帳簿価額1,500千USD
※2Z社土地評価差額300千USD×実効税率40%
※3Z社土地評価差額300千USD-繰延税金負債120千USD
前期と同様の修正を行います。
資産・負債の評価替え後のZ社の外貨建て貸借対照表は下記のようになります。
貸借対照表(単位:千USD) | |
---|---|
現金預金 3,000
商品 600 土地 1,800 |
借入金 1,300
繰延税金負債 120 資本金 3,000 利益剰余金 800 評価差額 180 |
5,400 | 5,400 |
【Z社の貸借対照表の円換算】
⑥ Z社の外貨建て貸借対照表を円換算します。
⑥ Z社の外貨建て貸借対照表を円換算します。
貸借対照表(単位:千円) | |
---|---|
現金預金 360,000※10
商品 72,000※10 土地 216,000※10 |
借入金 156,000※10
繰延税金負債 14,400※10 資本金 300,000※11 利益剰余金 81,000※12 評価差額 18,000※11 為替換算調整勘定 78,600※13 |
648,000 | 648,000 |
※10決算時の為替相場@120円/USDで円換算
※11支配獲得時の為替相場@100円/USDで円換算
※12支配獲得時の為替相場@100円/USD
×支配獲得時のZ社利益剰余金額700千USD
+Z社税引後当期純利益額100千USD
×当期期中平均相場@110円/USD
※13貸借差額
※11支配獲得時の為替相場@100円/USDで円換算
※12支配獲得時の為替相場@100円/USD
×支配獲得時のZ社利益剰余金額700千USD
+Z社税引後当期純利益額100千USD
×当期期中平均相場@110円/USD
※13貸借差額
【連結会社の財務諸表を合算する】
⑦ A社とz社の円建貸借対照表を合算します
⑦ A社とz社の円建貸借対照表を合算します
合算したA社の連結貸借対照表は下記のようになります。
貸借対照表(単位:千円) | |
---|---|
現金預金 460,000
商品 572,000 土地 216,000 Z社株式 400,000 |
借入金 286,000
繰延税金負債 14,400 資本金 1,100,000 利益剰余金 151,000 評価差額 18,000 為替換算調整勘定 78,600 |
1,648,000 | 1,648,000 |
【連結修正仕訳】
⑧ 開始仕訳
⑧ 開始仕訳
借方 | 貸方 |
---|---|
資本金 300,000千円※6
利益剰余金 70,000千円※6 評価差額 18,000千円※6 のれん 89,600千円※9 |
Z社株式 400,000千円※7
非支配株主持分 77,600千円※8 |
※6Z社取得時資本項目帳簿価額
※7Z社株式取得価額4,000千USD×取得時為替相場
@100円/USD
※8(資本金300,000千円+利益剰余金70,000千円
+評価差額18,000千円)×少数株主持分20%
※9貸借差額
※7Z社株式取得価額4,000千USD×取得時為替相場
@100円/USD
※8(資本金300,000千円+利益剰余金70,000千円
+評価差額18,000千円)×少数株主持分20%
※9貸借差額
前期の投資と資本の相殺仕訳と同様の仕訳を計上します。
⑨ のれんの償却
借方 | 貸方 |
---|---|
のれん償却 9,856千円※10 | のれん 9,856千円※10 |
※10(取得時Z社純資産価額3,880千USD×取得比率80%
-Z社株式取得価額4,000千USD)
÷償却期間10年
×期中平均相場@110円/USD
-Z社株式取得価額4,000千USD)
÷償却期間10年
×期中平均相場@110円/USD
外貨建てののれん計上額を償却期間で按分した金額を、当期平均相場で円換算した金額で、円建てののれん償却費を計上します。
⑩ のれんの為替換算調整勘定の修正
借方 | 貸方 |
---|---|
のれん 17,024千円※11 |
為替換算調整勘定 17,024千円※11 |
※11外貨建のれん帳簿残高806.4千USD
×期末為替相場@120円/USD-(前期末のれん円建残高
89,600千円
-当期のれん償却費9,856千円)
×期末為替相場@120円/USD-(前期末のれん円建残高
89,600千円
-当期のれん償却費9,856千円)
のれんの帳簿残高を期末為替相場で換算替えし、換算差額は為替換算調整勘定に計上します。
⑪ 当期純利益の非支配株主持分への振分
借方 | 貸方 |
---|---|
利益剰余金 2,200千円※12 | 非支配株主持分 2,200千円※12 |
※12Z社税引後外貨建当期純利益100千ドル
×期中平均レート@110円/USD×非支配株主持分20%
×期中平均レート@110円/USD×非支配株主持分20%
Z社の当期純利益の内、非支配株主に帰属する部分を利益剰余金から非支配株主持分勘定に振替えます。
⑫ 当期増減為替換算調整勘定の非支配株主持分への振分
借方 | 貸方 |
---|---|
為替換算調整勘定 15,720千円※13 |
非支配株主持分 15,720千円※13 |
※13為替換算調整勘定当期増加額78,600千円
×非支配株主持分20%
×非支配株主持分20%
為替勘定調整勘定の当期増減額の内、非支配株に帰属する部分を非支配株主持分勘定に振替えます。
連結修正仕訳計上後のA社の連結貸借対照表は下記のようになります。
貸借対照表(単位:千円) | |
---|---|
現金預金 460,000
商品 572,000 土地 216,000 のれん 96,768 |
借入金 286,000
繰延税金負債 14,400 資本金 800,000 利益剰余金 68,944 非支配株主持分 95,520 為替換算調整勘定 79,904 |
1,344,768 | 1,344,768 |
さらに翌期の会計処理は、下記のようになります。
追加前提条件 | ||||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
・Z社の税引後当期純利益は200千USD ・当期の期中平均レートは@130円/USD ・当期の期末レートは@110円/USD ・X3年3月31日におけるA社の貸借対照表は下記の通りで あった
・X3年3月31日におけるZ社の貸借対照表は下記の通りで あった
|
【Z社の外貨建て財務諸表の修正】
⑬ 土地の評価差額の計上
⑬ 土地の評価差額の計上
借方 | 貸方 |
---|---|
土地 300千USD※1 |
繰延税金負債 120千USD※2
評価差額 180千USD※3 |
※1Z社土地の支配獲得時の時価1,800千USD
-Z社土地の帳簿価額1,500千USD
※2Z社土地評価差額300千USD×実効税率40%
※3Z社土地評価差額300千USD-繰延税金負債120千USD
-Z社土地の帳簿価額1,500千USD
※2Z社土地評価差額300千USD×実効税率40%
※3Z社土地評価差額300千USD-繰延税金負債120千USD
前期と同様の修正を行います。
資産・負債の評価替え後のZ社の外貨建て貸借対照表は下記のようになります。
貸借対照表(単位:千USD) | |
---|---|
現金預金 3,200
商品 600 土地 1,800 |
借入金 1,300
繰延税金負債 120 資本金 3,000 利益剰余金 1,000 評価差額 180 |
5,600 | 5,600 |
【Z社の貸借対照表の円換算】
⑭ Z社の外貨建て貸借対照表を円換算します。
⑭ Z社の外貨建て貸借対照表を円換算します。
貸借対照表(単位:千円) | |
---|---|
現金預金 352,000※14
商品 66,000※14 土地 198,000※14 |
借入金 143,000※14
繰延税金負債 13,200※14 資本金 300,000※15 利益剰余金 107,000※16 評価差額 18,000※15 為替換算調整勘定 34,800※17 |
616,000 | 616,000 |
※14決算時の為替相場@110円/USDで円換算
※15支配獲得時の為替相場@100円/USDで円換算
※16支配獲得時の為替相場@100円/USD
×支配獲得時のZ社利益剰余金額700千USD
+Z社税引後前期純利益額100千USD
×前期期中平均相場@110円/USD
+Z社税引後当期純利益額200千USD
×当期期中平均相場@130円/USD
※17貸借差額
※15支配獲得時の為替相場@100円/USDで円換算
※16支配獲得時の為替相場@100円/USD
×支配獲得時のZ社利益剰余金額700千USD
+Z社税引後前期純利益額100千USD
×前期期中平均相場@110円/USD
+Z社税引後当期純利益額200千USD
×当期期中平均相場@130円/USD
※17貸借差額
【連結会社の財務諸表を合算する】
⑮ A社とz社の円建貸借対照表を合算します
⑮ A社とz社の円建貸借対照表を合算します
合算したA社の連結貸借対照表は下記のようになります。
貸借対照表(単位:千円) | |
---|---|
現金預金 452,000
商品 566,000 土地 198,000 Z社株式 400,000 |
借入金 273,000
繰延税金負債 13,200 資本金 1,100,000 利益剰余金 177,000 評価差額 18,000 為替換算調整勘定 34,800 |
1,616,000 | 1,616,000 |
【連結修正仕訳】
⑯ 開始仕訳
⑯ 開始仕訳
借方 | 貸方 |
---|---|
資本金 300,000千円※6
利益剰余金 82,056千円※19 評価差額 18,000千円※6 のれん 96,768千円※18 |
Z社株式 400,000千円※7
非支配株主持分 95,520千円※18 為替換算調整勘定 1,304千円※20 |
※6Z社資本項目帳簿価額
※7Z社株式取得価額4,000千USD×取得時為替相場
@100円/USD
※18前期末A社連結BS上円建残高
※19Z社支配獲得時円建利益剰余金額70,000千円
+前期のれん円建償却額9,856千円
+前期Z社当期純利益非支配株主持分相当額2,200千円
※20前期末為替換算調整勘定非支配株主持分相当額
17,024千円+前期のれん分為替換算調整勘定
▲15,720千円
※7Z社株式取得価額4,000千USD×取得時為替相場
@100円/USD
※18前期末A社連結BS上円建残高
※19Z社支配獲得時円建利益剰余金額70,000千円
+前期のれん円建償却額9,856千円
+前期Z社当期純利益非支配株主持分相当額2,200千円
※20前期末為替換算調整勘定非支配株主持分相当額
17,024千円+前期のれん分為替換算調整勘定
▲15,720千円
開始仕訳においては、支配獲得時の開始仕訳に加えて、支配獲得後から前期末までに増減したZ社の利益剰余金、のれんの償却、為替換算調整勘定の調整を行います。
⑰ のれんの償却
借方 | 貸方 |
---|---|
のれん償却 11,648千円※21 | のれん 11,648千円※21 |
※21(取得時Z社純資産価額3,880千USD
×取得比率80%-Z社株式取得価額4,000千USD)
÷償却期間10年
×期中平均相場@130円/USD
×取得比率80%-Z社株式取得価額4,000千USD)
÷償却期間10年
×期中平均相場@130円/USD
外貨建てののれん計上額を償却期間で按分した金額を、当期平均相場で円換算した金額で、円建てののれん償却費を計上します。
⑱ のれんの為替換算調整勘定の修正
借方 | 貸方 |
---|---|
為替換算調整勘定 6,272千円※22 |
のれん 6,272千円※22 |
※22外貨建のれん帳簿残高716.8千USD×期末為替相場
@110円/USD-(前期末のれん円建残高96,768千円
-当期のれん償却費11,648千円)
@110円/USD-(前期末のれん円建残高96,768千円
-当期のれん償却費11,648千円)
のれんの帳簿残高を期末為替相場で換算替えし、換算差額は為替換算調整勘定に計上します。
⑲ 当期純利益の非支配株主持分への振分
借方 | 貸方 |
---|---|
利益剰余金 5,200千円※23 | 非支配株主持分 5,200千円※23 |
※23Z社税引後当期純利益200千USD×期中平均相場
@130円/USD×非支配株主持分20%
@130円/USD×非支配株主持分20%
Z社の当期純利益の内、非支配株主に帰属する部分を利益剰余金から非支配株主持分勘定に振替えます。
⑳ 当期増減為替換算調整勘定の非支配株主持分への振分
借方 | 貸方 |
---|---|
非支配株主持分 8,760千円※24 |
為替換算調整勘定 8,760千円※24 |
※24(当期末為替換算調整勘定残高(のれん以外)34,800千円
-前期末為替換算調整勘定残高(のれん以外)78,600千円)
×非支配株主持分20%
-前期末為替換算調整勘定残高(のれん以外)78,600千円)
×非支配株主持分20%
為替勘定調整勘定の当期増減額の内、非支配株に帰属する部分を非支配株主持分勘定に振替えます。
のれんから生じる為替換算調整勘定は、親会社のみに帰属するため、振替の対象に含めません。
のれんから生じる為替換算調整勘定は、親会社のみに帰属するため、振替の対象に含めません。
連結修正仕訳計上後のA社の連結貸借対照表は下記のようになります。
貸借対照表(単位:千円) | |
---|---|
現金預金 452,000
商品 566,000 土地 198,000 のれん 78,848 |
借入金 273,000
繰延税金負債 13,200 資本金 800,000 利益剰余金 78,096 非支配株主持分 91,960 為替換算調整勘定 38,592 |
1,294,848 | 1,294,848 |
次のページでは、在外子会社の資本連結における資産及負債の時価評価差額の会計処理について具体的にご紹介します。