送金小切手の会計処理

送金小切手は、受取人に送金するために使用する小切手です。

通常、受取人が銀行口座をもっていない等の理由から、口座振替での送金が行えない場合等に用いられます。

具体的な仕組みとしては、まず、送金人が銀行等に、支払場所となる銀行等の本支店を指定し、送金額と手数料を支払います。

送金人から支払いを受けた銀行等は、自らを振出人として依頼された送金額の小切手を送金人に発行します。

送金人は、発行された小切手を、受取人に郵送します。

受取人は、支払場所として指定された銀行等に小切手を提示することで、現金の支払を受取ることができます。

そのため、受取人においては送金小切手は現金と同じ役割を果たす『貨幣代用証券』に該当し、会計処理上は『現金』として取り扱われます。
【送金小切手とは】
受取人に送金するために使用する小切手

【送金小切手の仕組み】
ステップ1⇒送金人が支払場所銀行等&支店を
      指定して、銀行等に送金額と
      手数料を支払

ステップ2⇒支払いを受けた銀行等は、送金額
      の小切手を送金人に発行

ステップ3⇒送金人は発行された小切手を
      受取人に郵送

ステップ4⇒受取人は指定された銀行等に
      小切手を提示し現金の支払いを
      受ける

【送金小切手の会計処理】
受取人側では『現金』として取り扱う
【参考文献】
財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則第15条1号
財務諸表等規則ガイドライン15-1-1
下記では、送金小切手の会計処理について、具体例を使用してご紹介します。
前提条件
A社はX1年4月1日に、得意先B社から売掛金の支払として、10,000千円の送金小切手を受取った。
※送金小切手の手数料は3千円であり、B社は送金額と手数料を当座預金から支払っている。
【A社の会計処理】
① X1年4月1日(小切手受取時)
借方 貸方
現金 10,000千円※1 売掛金 10,000千円※1
※1B社から受取った送金小切手の金額
B社から受取った送金小切手は、『現金』勘定に計上します。
【B社の会計処理】
① X1年4月1日(小切手受渡時)
借方 貸方
買掛金 10,000千円※1
支払手数料 3千円※2
当座預金 10,003千円※3
※1A社へ送った送金小切手の金額
※2送金小切手に対する手数料
※3送金額と手数料の合計額
送金小切手の送金額と手数料を当座預金からマイナスして、相手勘定で買掛金を相殺するとともに支払手数料を費用計上します。
送金小切手が現金になるのはあくまでも「受取側」で、振り出す側は現金になるとは限らない点に注意が必要です。
次のページでは、当座小切手の会計処理について具体的にご紹介します。