個人年金保険の死亡給付金受取りの会計処理
(死亡給付金受取人が被保険者の遺族・年金受取人が法人の場合)

【個人年金保険の死亡給付金受取りの会計処理(死亡給付金受取人が被保険者の遺族・年金受取人が法人の場合)】

保険事故が生じた日の属する事業年度に、法人が積立てていた保険積立金・配当金積立金を取崩し、雑損失に計上。

 ■仕訳イメージ
 (雑損失)XXX (保険積立金)XXX
        (配当金積立金)XXX
死亡給付金受取人が被保険者の遺族、年金受取人が法人の個人年金保険の場合、法人が支払った保険料の90%は、保険積立金で資産計上し、残りの10%を福利厚生費又は、役員報酬・給与として費用計上しています。

また、場合によっては、契約者配当金を配当金積立金として資産計上しています。

年金支払い開始前に被保険者が死亡し、死亡保険が被保険者の遺族に支払われる際は、資産計上している保険積立金と配当金積立金(配当を積立てたことにより付される利子を含む。)を保険事故が生じた日の属する事業年度で全額取崩し、雑損失などで損金計上します。
下記では、死亡給付金受取人が被保険者の遺族・年金受取人が法人の場合の個人年金保険の死亡給付金受取りの会計処理を、具体例を使用してご紹介します。 【参考文献】
山本英生(2019)『「通達」から読み解く保険税務/第4章2⃣(1)②』税務研究会出版局
前提条件
A社は全従業員を対象に個人年金保険を契約している。
・死亡給付金受取人は被保険者の遺族、年金受取人は法人で
 ある
・令和2年3月31日に被保険者である従業員に死亡事故が起こ
 り、死亡保険金100,000千円が遺族に支
 払われた
・死亡した被保険者の個人年金保険について、死亡事故発生
 時に保険積立金500千円、配当金積立金
 10千円を資産計上
 していた
①令和2年3月31日(保険事故発生時)
借方 貸方
雑損失 510千円※3 保険積立金 500千円※1
配当金積立金 10千円※2
※1対象保険契約の保険積立金残高500千円
※2対象保険契約の配当金積立金残高10千円
※3保険積立金500千円+配当金積立金10千円
資産計上していた、保険積立金と配当金積立金を取崩し、雑損失に計上します。
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