定期付養老保険の支払保険料の会計処理
(保険料が養老保険と定期保険等で明確に区分されている場合)

【保険料が養老保険と定期保険等で区分されている場合の定期付養老保険の支払保険料の会計処理】

①養老保険部分
養老保険として法人税基本通達9-3-4に基づいて会計処理

①定期保険又は第三分野保険部分
定期保険又は第三分野保険として法人税基本通達9-3-5及び9-3-5に基づいて会計処理
保険料が養老保険と定期保険等で明確に区分されている定期付養老保険の保険料は、養老保険部分は養老保険として法人税法基本通達9-3-4が、定期保険又は第三分野保険部分は定期保険又は第三分野保険として法人税法基本通達9-3-5及び9-3-5の2が適用され、それぞれの規定に準じて会計処理します。 【参考文献】
山本英生(2019)『「通達」から読み解く保険税務/第2章7⃣(2)』税務研究会出版局
法人税基本通達9-3-6
養老保険・定期保険・第三分野保険の具体的な会計処理は、下記のページをご参照ください。
養老保険
定期保険
がん保険
医療保険
傷害保険
介護保険
下記では、定期付養老保険(養老保険と定期保険等で保険料が明確に区分されているもの)の保険料を支払った場合の会計処理を、具体例を使用してご紹介します。 【参考文献】
山本英生(2019)『「通達」から読み解く保険税務/第2章2⃣(2)』税務研究会出版局
前提条件
A社は従業員に対して、下記の条件で定期付養老保険を契約した。
・令和2年4月1日に保険契約を開始した
・令和3年3月31日に、令和2年4月1日~令和3年3月31日分の
 保険料100千円を支払った
・支払保険料の内、80千円は養老保険、20千円は定期保険分
 の保険料である
・定期保険部分の最高解約返戻率は20%である
【満期保険金及び死亡時保険金受取人が法人の場合】
① X1年3月31日(保険料支払時)
借方 貸方
保険積立金 80千円※2
保険料 20千円※3
現金預金 100千円※1
※1支払った保険料
※2養老保険部分の保険料
※3定期保険部分の保険料
養老保険部分の保険料は、全額保険積立金として資産計上し、定期保険部分の保険料は全額保険料として損金計上します。
【満期保険金の受取人は法人、死亡時保険金受取人は被保険者の遺族の場合】
① X1年3月31日(保険料支払時)
借方 貸方
保険積立金 40千円※2
福利厚生費 40千円※3
福利厚生費 20千円※4
現金預金 100千円※1
※1支払った保険料
※2養老保険料部分の支払保険料80千円×1/2
※3養老保険料部分の支払保険料80千円×1/2
※4定期保険料部分の支払保険料
養老保険料部分の保険料の1/2を保険積立金に計上し、1/2を福利厚生費に計上します。
定期保険部分の保険料は、全額福利厚生費として損金計上します。
【満期保険金の受取人は被保険者、死亡時保険金受取人は被保険者の遺族の場合】
① X1年3月31日(保険料支払時)
借方 貸方
給与 80千円※2
福利厚生費 20千円※3
現金預金 100千円※1
※1支払った保険料
※2養老保険部分の保険料
※3定期保険部分の保険料
養老保険部分の保険料は全額給与として、定期保険部分の保険料は全額福利厚生費として損金計上します。
次のページでは、定期付養老保険の支払保険料の会計処理(保険料が養老保険と定期保険等で明確に区分されていない場合)について具体的にご紹介します。