養老保険の保険料支払時の会計処理
(満期保険金受取人が被保険者及び死亡時保険金受取人が被保険者の遺族の場合)

【養老保険の保険料料支払時の会計処理(満期・死亡時保険金受取人が被保険者及びその遺族の場合)】

 支払額を役員報酬又は給与等で費用計上

 ※役員で定期負担の場合は定期同額給与
 (過大でなければ損金算入)
 
※月額300円以下の場合は、所得課税の対象外

 ≪仕訳イメージ≫
 (給与)xxx (現金預金)xxx
法人が自社の役員・使用人を被保険者として養老保険を契約した場合、支払う保険料の会計処理は、その保険金の受取人が誰かによって異なります。

満期保険金及び死亡保険金の受取人がいずれも役員・使用人又はその遺族である場合、支払った保険料は、全額、被保険者である役員・使用人の給与として費用計上します。

被保険者が役員であり、法人がその保険料を一定期間ごとの負担する場合は、定期同額給与として取り扱われ、その金額が過大でなければ、損金の額に算入できます。

また、被保険者のために法人が負担する保険料等の合計額が、月額300円以下の場合は、所得課税の対象外となります。 【参考文献】
タックスアンサーNo.5363 養老保険の保険料の取扱い
法人税法基本通達9-2-9(12)・9-2-11(5)
法人税法基本通達9-3-4
所得税基本通達36-31・36-32
山本英生(2019)『「通達」から読み解く保険税務/第2章1⃣(2)②』税務研究会出版局
中村慈美・樋口翔太(2022)『企業の保険をめぐる税務/第1章1(1)ロ』一般財団法人大蔵財務協会
下記では、満期保険金受取人が被保険者及び死亡時保険金受取人が被保険者の遺族の場合の養老保険の会計処理を、具体例を使用してご紹介します。
前提条件
A社は全従業員を対象に、下記の条件で養老保険を契約した。
・X0年4月1日に保険契約を開始した
・X1年3月31日に、X0年4月1日~X1年3月31日分の保険料
 100千円を支払った
・満期保険金の受取人は被保険者である
・死亡時保険金受取人は被保険者の遺族である
【A社の会計処理】
① X1年3月31日(保険料支払時)
借方 貸方
給与 100千円※1 現金預金 100千円※1
※1支払った保険料
支払った保険料は、全額給与として費用計上します。
次のページでは、養老保険の支払保険料の会計処理(満期保険金受取人が被保険者及び死亡時保険金受取人が法人の場合)について具体的にご紹介します。