養老保険の保険料支払時の会計処理
(満期保険金受取人が被保険者及び死亡時保険金受取人が法人の場合)

【養老保険の保険料料支払時の会計処理(満期保険金受取人が被保険者及び死亡時保険金受取人が法人の場合)】

 支払保険料の1/2 ⇒役員報酬・給与で費用計上
 
支払保険料の1/2 ⇒期間の経過に応じて福利厚
         生費で費用計上
          
※ただし、普遍的加入でない場合は役員報酬
 又は給与となる

 ≪仕訳イメージ≫
 (給与)xxx (現金預金)xxx
 (福利厚生費)xxx
法人が自社の役員・使用人を被保険者として養老保険を契約した場合、支払う保険料の会計処理は、その保険金の受取人が誰かによって異なります。

満期保険金の受取人が被保険者であり、死亡保険金の受取人が法人である場合については、明確な規定がなく、実務においての会計処理に色々な議論がなされています。

そのなかで現状では、支払った保険料の1/2を期間の経過に応じて福利厚生費等で費用計上し、残りの1/2を役員・使用人の給与で費用計上する方法が、一般的となっています。

ただし、このケースにおいても、特定の役員または部課長その他特定の使用人のみを被保険者としている場合には、保険料の1/2は福利厚生費等ではなく、その役員・使用人の給与として計上すべきとされています。

特定の役員または部課長その他特定の使用人のみを被保険者とした加入でないことを『普遍的加入』といいます。

普遍的加入の詳細な要件については、下記のページをご参照下さい。
保険契約における普遍的加入とは 【参考文献】
山本英生(2019)『「通達」から読み解く保険税務/第2章1⃣(2)④』税務研究会出版局
下記では、満期保険金受取人が被保険者・死亡時保険金受取人が法人の場合の養老保険の会計処理を、具体例を使用してご紹介します。
前提条件
A社は全従業員を対象に、下記の条件で養老保険を契約した。
・X0年4月1日に保険契約を開始した
・X1年3月31日に、X0年4月1日~X1年3月31日分の保険料
 100千円を支払った
・満期保険金の受取人は被保険者である
・死亡時保険金受取人は法人である
【A社の会計処理】
① X1年3月31日(保険料支払時)
借方 貸方
給与 50千円※2
福利厚生費 50千円※3
現金預金 100千円※1
※1支払った保険料
※2支払保険料100千円×1/2
※3支払保険料100千円×1/2
支払った保険料の1/2を給与に計上し、1/2を福利厚生費に計上します。
次のページでは、一時払養老保険の会計処理について具体的にご紹介します。