インボイス制度における公共交通機関に支払った旅客運送費の取り扱い

【公共交通機関交通費の取り扱い】

1回の取引金額が3万円未満の支出であれば『公共交通機関特例』により、インボイス不要で仕入税額控除可能

⇒帳簿に『3万円未満の鉄道料金』や
 『公共交通機関特例』等の記載が必要

≪公共交通機関特例の対象≫
・船舶
・バス
・鉄道
・モノレール

※航空チケット、高速道路料金、タクシーは
 対象外

※特急料金、急行料金及び寝台料金は
 特例の対象

※入場料金は特例の対象外

※取引金額は、複数名分、往復分をまとめて
 支払った場合でも、1回とカウント

※法人税・所得税法上の経費にするために
 は、経路等の明細情報の保存が必要
公共交通機関交通費については、1回の取引金額が3万円未満の支出であれば『公共交通機関特例』により、インボイス不要で仕入税額控除が可能であるとされています。

この特例を適用する場合は、帳簿に『3万円未満の鉄道料金』や『公共交通機関特例』等の記載が必要です。

特例の対象となる公共交通機関は、船舶、バス、鉄道、モノレールとされており、航空チケット、高速道路料金、タクシーは対象外ですので、ご留意下さい。

特急料金、急行料金及び寝台料金は、旅客の運送に直接的に附帯する対価として、公共交通機関特例の対象となります。

他方、入場料金や手回品料金は、旅客の運送に直接的に附帯する対価ではありませんので、公共交通機関特例の対象となりません

1回の取引金額は、その名の通り1回あたりの支払金額で判定され、その取引の対象が往復であったり、複数名分の交通チケットの購入である場合であっても、まとめて取引を行うと1回と判定されます。

また、インボイスは不要であっても、法人税・所得税法上の経費にするためには、経路等の明細情報の保存が必要であるためご留意下さい。 【参考文献】
国税庁HPインボイス制度に関するQ&A問1-3・問42・問43・問44・問105・問110・問110-2
詳細については、下記のYoutube動画で紹介されています。
1回当取引金額 帳票の対応

3万円未満
支払方法:現金

消費税法:インボイス不要
法人税・所得税法:証憑必要

⇒経路等の明細を法人税・
 所得税の証憑
 として保存

3万円未満
支払方法:交通系ICカード・クレジットカード等

消費税法:インボイス不要
法人税・所得税法:証憑必要

⇒交通系ICカード・クレジッ
 トカード
 利用履歴を証憑と
 して保存

3万円以上
支払方法:全て

消費税法:インボイス必要
法人税・所得税法:証憑必要

⇒インボイスを入手して
 要保存
『公共交通機関特例』が適用できる公共交通機関の交通費については、1回当たりの取引金額及び支払方法により、上記の証憑保存対応が必要になります。

特に、1回あたり3万円未満の交通費を、交通系ICカードやクレジットカードで支払った場合は、インボイスが不要であり、さらに、法人税・所得税の経費上は、交通系ICカードやクレジットカードの利用明細を証憑とできるため、手続きを簡略化することができます。
交通系ICカードを使用した経費計上方法の詳細については、下記のYoutube動画で紹介されています。
次のページでは、インボイス制度における高速道路ETC料金の取り扱いについて具体的にご紹介します。