子会社貸付金の貸借対照表上の表示

【子会社貸付金の貸借対照表上の表示区分及び科目】
返済日までの期間 BS表示区分&科目

決算日の翌日から一年以内

区分:流動資産
科目:『関係会社短期
    貸付金』

決算日の翌日から一年超

区分:固定資産の
   投資その他の資産
科目:『関係会社長期
    貸付金』
子会社貸付金の内、決算日の翌日から一年内に返済日が到来するものは、貸借対照表の流動負債の部で『関係会社短期貸付金』の勘定科目で表示します。

それに対し、決算日の翌日から一年を超えて返済日が到来するものは、固定資産の部の中の、投資その他の資産で『関係会社長期貸付金』の勘定科目で表示します。 【参考文献】
財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則第十五条の十二・第十七条の十二・第十九条・第三十二条の九
仰星監査法人(2023)『勘定科目別仕訳処理ハンドブック/Ⅰ流動資産-貸付金133子会社貸付金が発生し、相殺により回収した』株式会社清文社
【子会社貸付金の貸借対照表価額】

 貸付金のBS価額=取得価額-貸倒引当金額


 ※外貨建子会社貸付金については決算時の
  為替相場で計上

 ※下記の理由により、子会社貸付金は時価
  評価を行わない

  ①活発な市場が無く時価が不明の
   ケースが多い

  ②売却を意図していない場合が少なく
   ない
子会社への貸し付けであっても、子会社の財政状態及び経営成績に問題がある場合には、回収可能性を評価して貸倒引当金の設定を検討しなければなりません。

貸倒引当金を設定した場合は、子会社貸付金は、その取得価額から貸倒引当金を控除した金額で、貸借対照表に表示します。 (企業会計基準第10号金融商品に関する会計基準第14項)
子会社貸付金を含む金銭債権は、金融商品に関する会計基準で、時価評価を行わない金融商品とされています。

これは一般的に、金銭債権に活発な市場が無い場合が多いこと、売却を意図していない場合が少なくないことなどの理由によります。

ただし、金銭債権は貸倒のリスクを負っているため、そのリスク部分については、貸倒引当金を控除することで、貸借対照表価額に反映しなければなりません。 (企業会計基準第10号金融商品に関する会計基準第68項)
また、外貨建子会社貸付金については為替変動によるリスクを負っているため、決算時の為替相場で換算替した金額を貸借対照表に計上します。

外貨建子会社貸付金の為替処理は基本的に通常の外貨建貸付金と同様です。

”外貨建貸付金”の具体的な会計処理については、下記のページをご参照ください。
外貨建貸付金の会計処理
次のページでは、役員貸付金とはなにかについてご紹介します。