仮想通貨利用者が分裂により仮想通貨を取得した場合の会計処理

企業会計基準委員会が発行した『資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取り扱い』では、仮想通貨に関する暫定的な会計処理が定められていますが、仮想通貨利用者が保有している仮想通貨の分裂により仮想通貨を取得した場合の具体的な会計処理は定められていません。

ただし、国税庁が公表した『仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(情報)』では、仮想通貨利用者が保有している仮想通貨の分裂により、仮想通貨を取得した場合の所得の計算方法が定められています。

そのため、現状では財務会計上もこの『仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(情報)』で定められてる方法で、会計処理をすることが適切であると考えられます。

具体的には、分裂により新たに取得した仮想通貨は取得価額0円で計上し、分裂の時点では損益を認識せずに会計処理を行います。

これは、分裂で新たに生まれた仮想通貨は、分裂時点においては取引相場が存在しておらず、同時点では価値を有していないと考えられるからです。

そのため、分裂で新たに生まれた仮想通貨については、その仮想通貨を売却又は使用した時点で損益を認識することになります。
【分裂により仮想通貨を取得した場合の会計処理】

分裂により新たに取得した仮想通貨は取得価額0円で計上

⇒分裂の時点では損益を計上しない
(資金決済法における仮想通貨の会計処理等に関する当面の取り扱い第22項
仮想通貨に関する税務上の取扱いについて(情報)5)
次のページでは、仮想通貨利用者がマイニングにより仮想通貨を取得した場合の会計処理について具体的にご紹介します。