開発費の会計処理

開発費とは、①新技術又は新経営組織の採用、②資源の開発、③市場の開拓、④生産能率の向上・生産計画の変更等により設備の大規模な配置替えを行った場合などのために特別に支出した費用を言います。
ただし、上記に該当する場合であっても、経常費の性格を持つものは開業費には含まれません。
【開発費となる活動】
①新技術又は新経営組織の採用
②資源の開発
③市場の開拓
④生産能率の向上・生産計画の変更等により
 設備の大規模な配置替えを行った場合

 ※ただし経常費の性格を持つものは開業費
  に含まない
開発費は、原則として支出時に売上原価又は販売費及び一般管理費として費用計上しますが、例外として繰延資産計上することも認められています。

繰延資産に計上した開発費は、開業の時から5年以内のその効果の及ぶ期間にわたって、定額法その他合理的な方法により規則的に償却します。

なお、開発費に該当する支出であっても、「研究開発費等に係る会計基準」の対象となる開発費に該当するものについては、発生時に研究開発費として費用として処理しなければなりません。

開発費と研究開発費の分類については、下記のページをご参照ください。
費用計上される開発費と繰延資産計上される開発費
【開発費の会計処理】
①原則:支出時に売上原価又は販売費及び
    一般管理費として計上

②例外:支出時に繰延資産として計上
     ⇒5年以内のその効果の及ぶ期間
      にわたって、定額法その他
      合理的な方法により規則的に
      償却
      (売上原価又は販売費及び
      一般管理費)

③「研究開発費等に係る会計基準」の対象と
 なる場合:発生時に研究開発費で費用計上
(繰延資産の会計処理に関する当面の取り扱い第3項(5)
研究開発費等に係る会計基準三
研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関するQ&A-Q1)
なお、支出の効果が期待されなくなった繰延資産については、その未償却残高を一時に償却しなければなりません。(繰延資産の会計処理に関する当面の取り扱い第3項(6))
開発費に適用した会計処理は、その後の開発費に対しても同一の会計処理を適用しなければなりません。

開発費を会計処理した年度の前事業年度に同じく開発費を会計処理している場合で、前年度と異なる会計処理を採用する場合は、原則として会計方針の変更として取り扱います。

ただし、支出内容に著しい変化がある場合には、新たな会計事実の発生として、会計方針の変更とせずに異なる会計方針を選択することができます。

この場合、異なる会計方針を採用した旨及び、同一の会計処理を採用した場合の想定値と比較した影響額、会計方針の変更として取り扱わなかった理由を追記情報として注記します。(繰延資産の会計処理に関する当面の取り扱い第3項(7))
下記では、開発費を繰延資産として計上するケースの会計処理について、具体例を使用してご紹介します。
前提条件
A社はX1年4月1日に資源の開発のための費用を総額10,000千円支出し、繰延資産に計上した。

・開発費は5年間で月額均等償却する
・A社の決算日は3月31日
【A社の会計処理】
① X1年4月1日(開発費の支出時)
借方 貸方
開発費 10,000千円※1 現金 10,000千円※1
※1資源の開発のための支出総額
資源の開発のために支出した費用を、”開発費”の費目で繰延資産として計上します。
② X2年3月31日(第1回決算日)
借方 貸方
開発費償却 2,000千円※2 開発費 2,000千円※2
※2 10,000千円÷60カ月×12カ月
資産として計上した開発費の内、当期の月数の分の金額を償却費として費用計上します。
③ X3年3月31日(第2回決算日)
借方 貸方
開発費償却 2,000千円※3 開発費 2,000千円※3
※3 10,000千円÷60カ月×12カ月
第1回決算日と同様の仕訳を行います。
④ X4年3月31日(第3回決算日)
借方 貸方
開発費償却 2,000千円※4 開発費 2,000千円※4
※4 10,000千円÷60カ月×12カ月
第2回決算日と同様の仕訳を行います。
⑤ X5年3月31日(第4回決算日)
借方 貸方
開発費償却 2,000千円※5 開発費 2,000千円※5
※5 10,000千円÷60カ月×12カ月
第3回決算日と同様の仕訳を行います。
⑥ X6年3月31日(第5回決算日)
借方 貸方
開発費償却 2,000千円※6 開発費 2,000千円※6
※6 10,000千円÷60カ月×12カ月
第4回決算日と同様の仕訳を行います。当該仕訳を完了すると開発費の帳簿価額はゼロとなり償却が完了します。
次のページでは、繰延資産に関連する会計基準を一覧でご紹介します。