ファイナンス・リース取引の借手における割引現在価値算定時の
将来キャッシュ・フロー

現在価値基準の判定において、また、貸手の購入価額が明らかでない場合のリース取引開始時のリース資産・負債の算定において、リース料総額等の割引現在価値を算定する必要があります。
この時使用するリース料総額等の割引現在価値は、あくまでもリース物件の取得のための支出を基に計算しなければなりません。

そのため、リース料として支払う支出であっても、リース物件の取得の対価でないものは、割引現在価値算定時の将来キャッシュ・フローには含めてはいけません。
含まれないものの具体例としては、リース料に含まれる維持管理費用相当額や保守等の役務提供相当額が挙げられます。割引現在価値の算定の際には、原則としてこれらの支出相当額をリース総額から控除して計算します。(リース取引に関する会計基準の適用指針14・25・26・40・41項)
ここで控除された費用は、リース料の支払い時に「維持管理費」等の科目に一括りで費用計上され、これを固定資産税や保険料等に細分する必要はありません。(リース取引に関する会計基準の適用指針109・111項)
ただし、これらの費用の金額がリース料に占める割合に重要性が乏しい場合は、これをリース総額に含めてリース資産と負債を計上し、減価償却と利息費用により費用化する処理が認められています。(リース取引に関する会計基準の適用指針25・26・40・41・109・110・111項)
また、所有権移転外ファイナンス・リース取引において、残価保証がある場合、残価保証額についても、リース物件の取得のための支出とみなし、リース総額に含めて割引現在価値を算定します。(リース取引に関する会計基準の適用指針15・22項)
同様に、所有権移転ファイナンス・リース取引において割安購入権が設定されている場合、割安購入価額についてもリース総額に含め、割引現在価値を算定します。(リース取引に関する会計基準の適用指針37・39項)
【リース料総額等の割引現在価値の算定まとめ】
リース総額
▲利息相当額
▲維持管理費用相当額
 (重要性が乏しい場合は含めてOK)
▲保守等の役務提供相当額
 (重要性が乏しい場合は含めてOK)
+残価保証額(所有権移転外ファイナンス・
 リース取引の場合)
+割安購入価額(所有権移転ファイナンス・
 リース取引の場合)
=リース料総額等の割引現在価値
 計上額
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