多数の有形固定資産に同種の資産除去債務が生じている場合

Question
当社は全国に複数のガソリンスタンドを経営しています。ガソリンスタンド用地は借地しており、返却時には原状回復の義務があります。そのため、契約時に資産除去債務の計上を行う必要があるのですが、このように多数の有形固定資産に同種の資産除去債務が生じている場合、どのように会計処理すべきでしょうか。
【Answer】
多数の有形固定資産に同種の資産除去債務が生じている場合、個々の資産の重要性に基づき、資産除去債務の算定の基礎となる割引前将来キャッシュ・フローの見積りを、有形固定資産の種類や場所等で集約して、包括的に行うことができます。(資産除去債務に関する会計基準の適用指針3項)
除去費用の見積りの際には、同種の有形固定資産除去費用の過去実績を基に、面積対比等を乗じて算定することが考えられます。(資産除去債務に関する会計基準の適用指針3(3)・21項)
また、注記についてもまとめて記載することができます。(資産除去債務に関する会計基準の適用指針10項)
以下では、複数の有形固定資産に同種の資産除去債務が生じている場合の注記の具体例をご紹介します。(参考:資産除去債務に関する会計基準の適用指針〔設例7-2〕)
当社は、複合型商業施設内に店舗を建設するにあたり、複合型商業施設の所有者との間で賃借契約10年から30年の事業用定期借地権付の不動産賃借契約を締結しており、当該不動産賃借契約における賃借期間終了時の原状回復義務に関し、資産除去債務を計上している。資産除去債務の見積りにあたり、使用見込み期間は20年、割引率は4.0%から5.0%を採用している。

当事業年度における資産除去債務の残高の推移は次のとおりである。

期首残高             1,000千円
有形固定資産の取得に伴う増加額  100千円
時の経過による調整額        50千円
資産除去債務履行による減少額
              △200千円
        期末残高      950千円
次のページでは、資産除去債務が使用の都度発生する場合の会計処理をご紹介します。