市場販販売目的のソフトウェアの販売用の商品に関する会計処理

製品マスターが完成したら、そのマスターをコピーして販売用の商品を製造します。

販売用のコピーを商品として制作するための支出は、当期製品製造費用として計上します。その内、販売が完了したものについては売上原価としてPLに計上します。

それに対して、商品在庫もしくは仕掛品として残っているものは、商品や仕掛品などの棚卸資産として資産計上します。
また、販売用のコピーの販売が完了した時点では、売上原価と共に、収益として売上を計上します。
当期の売上原価の集計の際に留意しなければならないのは、市場販売目的のソフトウェアの当期の減価償却費については全額当期の売上原価に計上し、期末の完成品や仕掛品が残っている場合であっても、それらの棚卸資産に負荷させることは無いということです。

製品マスターの償却費は、配分されるべき原価が確定しないため、減価償却はこのように当期に販売された商品のみが負担するという処理が採用されています。
【販売用の商品に関する活動の会計処理】
ステップ①:商品製造のための支出の発生時
      ⇒支出した金額を当期製品製造
       原価に計上

ステップ②:当期に商品販売済みのもの
      ⇒当期の売上原価として計上
       ※ソフトウェアの減価償却費
       は全額当期の売上原価に計上
      ⇒同時に売上を計上

ステップ③:期末に残っている商品及び
       仕掛品
      ⇒期末棚卸高として棚卸資産に
       振替
販売用のコピー商品の製造原価となる支出の具体例としては、下記のようなものが挙げられます。
【販売用のコピー商品の製造原価となる支出の具体例】
●ソフトウェアの保存媒体のコスト
●製品マスターの複写にかかる経費
●同封する利用マニュアルや説明書の制作費
●製品のラベルや梱包のためのコスト
●コピー商品の制作にかかった人件費
(企業制度委員会報告第12号研究開発及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針第34項(4)・35項
研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関するQ&A-Q14)
次のページでは、市場販販売目的のソフトウェアのに関する支出の勘定科目のまとめをご紹介します。