自社利用目的のソフトウェアの内、機械組み込み型のソフトウェアの会計処理

Question
自社利用目的でソフトウェアが組み込まれている機械装置を購入しました。この場合、機械部分とソフトウェア部分を分けて会計処理すべきでしょうか?
【Answer】
自社利用目的の機械装置等に組み込まれているソフトウェアで、当該機械装置等と有機的一体として機能するものについては、当該機械装置等に含めて会計処理を行います。

具体的には、取得の対価は当該機械等の取得原価に算入して「機械及び装置」等の科目を用いて計上し、当該機械装置等の有形固定資産の減価償却を通じて費用化します。

このように有機的一体として機能している場合のソフトウェアを機械装置等に含めて会計処理するとされているのは、両者が別個では何ら機能せず一体として初めて機能しないこと、購入価額についても両者の対価は区分されていないのが通例であること、機器とソフトウェアの技術革新を考えると一方だけが長く機能することは考えにくく経済的耐用年数も両者に相互関連性が高いといったことが理由です。

しかしながら、ソフトウェアの交換が予定されている場合で、当該交換による機能向上が革新的であるようなときは、機器とは別にソフトウェアとして処理することが適切である場合もあります。

また、購入時にソフトウェアの交換が契約により予定されており、新・旧ソフトウェアの購入価額が明確な場合も、ソフトウェア部分を区分して処理することが適切であるケースがあります。


では、どのような場合に機械装置等とソフトウェアが有機的一体として機能しているといえるのでしょうか?

パソコンを具体例として挙げると、パソコンに組み込まれて一体として販売されているOSやファームウェアについては、それがなければパソコンが機能しないため、パソコンという機械と有機的一体であるとしてパソコンに含めて会計処理することができます。

それに対して、オプションで追加するOfficeの表計算ソフトなどは、それがなくてもパソコンが機能することができるため、有機的一体として認められず、個別にソフトウェアとして会計処理をしなければなりません。(研究開発等に係る会計基準四の3
研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針
第17・41項
研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関するQ&A-Q17)
次のページでは、自社利用目的のソフトウェアを資産計上する際の証憑について具体的にご紹介します。