棚卸資産管理における平均原価法(移動平均法)

平均原価法とは、取得した棚卸資産の一定期間の平均原価を算出し、その平均原価によって期末棚卸資産価額を算定する方法です。

平均原価方には移動平均法と総平均法の2種類の方法が存在しますが、このページではその内、移動平均法をご紹介します。

移動平均法では、在庫に変化があるたびに平均単価を算出し、在庫の払出時点や期末決算日時点等、それぞれの時点の平均単価をもって、払出価額や期末在庫価額を算定します。

移動平均法では在庫に変化があるたびに平均単価を算出しますので、総平均法とは違って、常に平均単価と在庫の帳簿価額を把握できることがメリットとして挙げられます。そのため、期中においても、原価に係る無駄の洗い出しや、損益分岐点の把握、適正な売価の決定などのタイムリーな経営判断に役立ちます。

その反面、平均単価の計算を行う回数が多いため、棚卸資産の種類や入出庫回数が増えれば増えるほど、経理などの担当者の負荷が重くなってしまうというデメリットがあります。

そのため移動平均法は、棚卸資産に関連して素早い経営判断が必要で、取り扱っている棚卸資産の種類や入出庫回数が多くない業種に適しています。
【移動平均法とは】
在庫に変化があるたびに平均単価を算出し、在庫の払出時点や期末決算日時点等、それぞれの時点の平均単価をもって、払出価額や期末在庫価額を算定する方法

【移動平均法のメリット】
平均単価を常に把握できタイムリーな経営判断に役立つ

【移動平均法のデメリット】
平均単価を算定する回数が多いため業務負荷が重くなる

【移動平均法が適している業種】
素早い経営判断が必要で、取り扱っている種類や入出庫回数が少ない業種
(棚卸資産の評価に関する会計基準第6-2項(3))
次のページでは、棚卸資産管理における平均原価法(総平均法)にご紹介します。