棚卸資産の購入に要した資金利子の取り扱い
Question |
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当社は棚卸資産の購入のために借入を行い、利息を支払っています。このような支払利子については、内部副費として棚卸資産の取得価額に算入できるのでしょうか? |
【Answer】
購入に要した資金調達のための支払利子に関しては、原則として副費として取得価額には含めず期間費用として計上するとされています。
ただし、不動産開発事業の開発資金のための支払利子の内、一定の条件を満たすものついて内部副費として取得価額に加算することが認められています。
不動産開発事業の場合、その計画から完了まで長期間と膨大な資金を要し、一般の運転資金とは別にプロジェクト毎に長期の借入(いわゆる、紐付融資)を行うことが通例です。このような場合の支払利子は、一般の財務費用としての支払利子とは異なり、そのプロジェクトを遂行するための重要な原価要素と考えられ、費用収益対応の観点からも棚卸資産の取得価額に含めることが適切であると考えられます。
ただし、支払利子を取得価額に参入するためには、①不動産開発業において、②不動産開発プロジェクトの所要資金が特別の借入金で調達されており、③適用されている利率が一般的に妥当なものであり、④原価算入の終期が開発の完了までであり、⑤正常な開発期間の支払利子であり、⑥開発の着手から完了までに長期間を有するものであり、⑦支払利子の金額に重要性があり、⑧財務諸表に減価算入の処理について具体的に注記しており、⑨当該支払利子の会計処理を継続して適用しているとという全ての要件を満たさなければなりません。
この要件の判定の煩雑さや保守主義の観点から、実際に利息を取得原価に参入しているケースは多くないというのが現状です。
ただし、不動産開発事業の開発資金のための支払利子の内、一定の条件を満たすものついて内部副費として取得価額に加算することが認められています。
不動産開発事業の場合、その計画から完了まで長期間と膨大な資金を要し、一般の運転資金とは別にプロジェクト毎に長期の借入(いわゆる、紐付融資)を行うことが通例です。このような場合の支払利子は、一般の財務費用としての支払利子とは異なり、そのプロジェクトを遂行するための重要な原価要素と考えられ、費用収益対応の観点からも棚卸資産の取得価額に含めることが適切であると考えられます。
ただし、支払利子を取得価額に参入するためには、①不動産開発業において、②不動産開発プロジェクトの所要資金が特別の借入金で調達されており、③適用されている利率が一般的に妥当なものであり、④原価算入の終期が開発の完了までであり、⑤正常な開発期間の支払利子であり、⑥開発の着手から完了までに長期間を有するものであり、⑦支払利子の金額に重要性があり、⑧財務諸表に減価算入の処理について具体的に注記しており、⑨当該支払利子の会計処理を継続して適用しているとという全ての要件を満たさなければなりません。
この要件の判定の煩雑さや保守主義の観点から、実際に利息を取得原価に参入しているケースは多くないというのが現状です。
【棚卸資産の購入に要した資金利子の取り扱い】
原則:期間費用として計上
例外:下記の全てを満たす場合、棚卸資産の
取得価額に算入可能
~要件~
①不動産開発業のための借入に対するもので
あること
②特定のプロジェクトの紐付融資であること
③適用されている利率が一般的に妥当なもの
であること
④原価算入の終期が開発の完了までである
こと
⑤正常な開発期間の支払利子であること
⑥開発の着手から完了までに長期間を有する
ものであること
⑦支払利子の金額に重要性があること
⑧財務諸表に原価算入の処理について具体的
に注記していること
⑨当該支払利子の会計処理を継続して適用し
ていること
原則:期間費用として計上
例外:下記の全てを満たす場合、棚卸資産の
取得価額に算入可能
~要件~
①不動産開発業のための借入に対するもので
あること
②特定のプロジェクトの紐付融資であること
③適用されている利率が一般的に妥当なもの
であること
④原価算入の終期が開発の完了までである
こと
⑤正常な開発期間の支払利子であること
⑥開発の着手から完了までに長期間を有する
ものであること
⑦支払利子の金額に重要性があること
⑧財務諸表に原価算入の処理について具体的
に注記していること
⑨当該支払利子の会計処理を継続して適用し
ていること
(連続意見書第四棚卸資産の評価について第五項
不動産開発事業を行う場合の支払利子の監査上の取扱いについて)
不動産開発事業を行う場合の支払利子の監査上の取扱いについて)
次のページでは、販売用不動産の期末評価について具体的にご紹介します。