入居者から徴収して預り金計上した水道光熱費の立替金精算書

【入居者におけるインボイス適用要件】
原則/例外 インボイス

原則

下記を併せて保存
・不動産オーナー宛のインボイスの写し
・不動産オーナーからの『立替金精算書』

例外

下記を両方満たす
・入居者が不動産オーナーからの『立替金精算書』を保存
 ※『立替金精算書』に電力会社のインボイス番号等を要記載
・不動産オーナーがインボイスを保存
不動産賃貸業においては、オーナーが水道光熱費を一括で支払い、その実費を入居者から家賃と共に徴収する場合、『預り金』として計上して、消費税の対象外取引とすることができます。

この場合、入居者が最終的に負担した水道光熱費を仕入税額控除する際に、インボイスが必要です。

インボイスは、インボイス登録事業者が負担者に直接発行することが必要ですが、第三者が立替払いしている場合は、インボイス登録事業者が第三者宛に発行したインボイスのと、第三者から最終負担者への『立替金精算書』を併せて保存することで、最終負担者の仕入税額控除における、インボイスの要件を満たすことができます。

しかしながら、不動産賃貸においては、多くのテナントが入居しており、不動産オーナーが受け取っているインボイスの写しが大量になってしまうケースがあります。

そのような場合、入居者は『立替金精算書』のみを保存し、不動産オーナーがインボイスを保存することで、入居者の仕入税額控除における、インボイスの要件を満たすことができます。

その際には、『立替金精算書』に電力会社のインボイス番号や、消費税率の区分等のインボイス記載事項を明記しておかなければなりません。 【参考文献】
渡邊浩滋(2023)『不動産賃貸業のインボイス対応 Q&A50: オーナー・管理会社のお悩み解決! /P31~』株式会社税務経理協会
次のページでは、賃料収入が居住用かどうかの消費税法上の判断基準について具体的にご紹介します。