インボイスを賃貸借契約書で代用する方法

【賃貸借契約書をインボイスとする要件】
下記の全てを満たしていることが必要
①取引年月日以外のインボイス記載事項が賃貸借契約書に記載されている
②借主が取引年月日を証明できる通帳の記載等を保存している
※日割家賃など契約書に無い情報に基づく場合はインボイスの発行必要
インボイスは原則として、取引に対して交付しなければなりませんが、不動産賃貸業においては、取引ではなく賃貸借契約書でインボイスを代用することができます。

そのためには、賃貸借契約書に『取引年月日』以外のインボイス記載事項が全て記載されており、かつ、『取引年月日』を証明できる銀行通帳の記載や、振込金受取書などの証憑を借主側で保存しておかなければなりません。

ただし、入退去に伴う日割り家賃など、その請求金額等の情報が賃貸借契約書で確認できない場合は、インボイスの発行が必要です。
【賃貸借契約書のインボイス記載事項】
記載事項 詳細

発行者の氏名又は名称

不動産オーナーの氏名又は名称

交付を受ける者の氏名又は名称

借主の氏名又は名称

取引内容

不倒産賃貸借である旨や契約条件

税率ごとに合計した対価の額

特別な取引がない限り全額10%課税取引に該当
※税率変更に備えて、税率を直接記載せず、現行税率に準ずる旨の記載でもOK
※締結済み又は税率変更の際には、税率を通知すればOK!

税率ごとの消費税額及び適用税率

消費税額と適用税率を記載
※税率変更に備えて、税率を直接記載せず、現行税率に準ずる旨の記載でもOK
※締結済み又は税率変更の際には、税率を通知すればOK!

軽減税率の対象である旨

不動産賃貸業の場合は該当なし

インボイス登録番号

不動産オーナーのインボイス登録番号
※締結済みの場合は変更の通知でOK!
賃貸借契約書に記載が必要なインボイス記載事項は、上記のものが挙げられます。

既に締結済みの賃貸借契約書については、基本契約書は変更せずに、別途通知を行うことで情報を補完しても良いとされています。

消費税率については、通常の賃貸借契約では税率の変更に備えて、契約書に税率を明記しないケースも多々あります。

その場合、契約書には税率がへんこうになった場合は、現行税率を適用する旨を記載し、さらに、別途通知にて適用される消費税率を明記すれば良いとされています。
次のページでは、居住用の物件が無断で事業用に使用されている場合の消費税区分について具体的にご紹介します。