自己振出小切手を受取った
場合の会計処理

【自己振出小切手とは】

自社が振出した小切手の内、銀行に呈示されないまま手元に戻ってきたもの


【自己振出小切手を受取った際の会計処理】

受取った自己振出小切手の金額の分だけ当座預金を増額させる

≪仕訳イメージ≫
(当座預金)XXX (売掛金)XXX
自己振出小切手とは、自社が発行した小切手が、銀行に呈示されないまま手元に戻ってきた小切手のことをいいます。

例えば、仕入先への支払いのために振出した小切手が、廻り回って自社の得意先からの支払に充当され手元に戻ってくる場合や、小切手を振り出した取引の内容に誤りがあり、振り出した小切手が返ってくるなどして、自己振出小切手が発生します。

自己振出小切手を入手した場合は、その小切手の金額分だけ、当座預金を増額する仕訳を計上します。

なぜならば、小切手を振り出した際に、当座預金勘定の残高を減額しているものの、銀行から引き出されずに、手元に戻っているためです。 【参考文献】
仰星監査法人(2023)『勘定科目別仕訳処理ハンドブック/Ⅰ流動資産-預金23自己振出しの小切手を受け取った』
株式会社清文社
下記では、自己振出小切手を受取った場合の会計処理について、具体例を使用してご紹介します。
前提条件
A社は下記の取引を行った。

・X1年4月1日に仕入先B社への買掛金支払のため10,000千円
 の小切手を振出した
・X1年5月31日に得意先C社から売掛金に対する入金として
 B社に振出した自己振出小切手10,000千円
 を受取った
・A社の決算日は3月31日
【A社の会計処理】
① X1年4月1日(小切手振出時)
借方 貸方
買掛金 10,000千円※1 当座預金 10,000千円※1
※1小切手で支払った買掛金額
小切手振出額を当座預金からマイナスすると同時に、同額の買掛金をマイナスします。
② X1年5月31日(自己振出小切手受取時)
借方 貸方
当座預金 10,000千円※2 売掛金 10,000千円※2
※2売掛金の入金として受取った自己振出小切手金額
自己振出小切手金額分の当座預金残高を増額させると同時に、同額を売掛金からマイナスします。
次のページでは、未渡小切手がある場合の会計処理会計処理について具体的にご紹介します。