新規預け入れで取得した譲渡性預金が満期償還された場合の会計処理

【新規預け入れで取得した譲渡性預金が満期償還された場合の会計処理】

譲渡性預金を計上していた有価証券の科目をマイナスし、相手勘定で償還の際に受け取った資産勘定を計上。

※有価証券の勘定科目は、
 保有目的及び償還までの期間により異なる

≪仕訳イメージ≫
(普通預金)XXX (有価証券)XXX
保有している譲渡性預金が満期償還された場合は、譲渡性預金を計上していた有価証券の科目をマイナスし、相手勘定で償還の際に受け取った資産勘定を計上します。

譲渡性預金を計上している有価証券の科目は、譲渡性預金証券の保有目的及び償還までの期間により異なります。

例えば、1年以内に満期の到来する譲渡性預金の預金証券は『有価証券』勘定に計上されていますが、償還まで1年を超える満期保有目的のものは『投資有価証券』や『満期保有目的債権』勘定に計上されています。
【参考文献】
会計制度委員会報告第14号金融商品に関する実務指針第8項・第58項
金融商品会計に関するQ&A-Q67
仰星監査法人(2023)『勘定科目別仕訳処理ハンドブック/Ⅰ流動資産-預金44譲渡性預金(CD)が満期償還された』
株式会社清文社
下記では、新規預け入れで取得した譲渡性預金が満期償還された場合の会計処理について、具体例を使用してご紹介します。 【参考文献】
仰星監査法人(2023)『勘定科目別仕訳処理ハンドブック/Ⅰ流動資産-預金44譲渡性預金(CD)が満期償還された』
株式会社清文社
前提条件
・A社はX1年4月1日に、下記の条件で譲渡性預金の預金証券
 を取得している。
・譲渡性預金額面金額は50,000千円で、普通預金より
 入金した
・満期日はX2年3月31日、預入期間は12カ月である
・約定利率は3%
・約定利率の利払い日は3月末及び6月末の6カ月毎である
・X2年3月31日に満期を迎え、元本50,000千円と3月末支払
 の約定利息635千円(利息総額750千円、
 所得税及び
 復興特別所得税115千円)が普通預金口座に入金された
・A社の決算日は3月31日
① X2年3月31日(満期日)
借方 貸方
普通預金 50,000千円※1
普通預金 635千円※2
仮払法人税 115千円※3
有価証券 50,000千円※1
有価証券利息 750千円※4
※1元本入金額
※2約定利息入金額
※3差し引かれた所得税及び復興特別所得税額
※4約定利息総額
元本の回収については、有価証券勘定をマイナスし、相手勘定で入金された普通預金を計上します。

利息の受け取りについては、利息総額を有価証券利息として収益計上し、相手勘定で入金された金額を普通預金勘定に、差し引かれた税額を仮払法人税勘定に計上します。
次のページでは、新規預け入れで取得した譲渡性預金を満期日前に譲渡した場合の会計処理について具体的にご紹介します。