新規預け入れで取得した譲渡性預金の約定利息を受け取った場合の会計処理

【新規預け入れで取得した譲渡性預金の約定利息を受け取った場合の会計処理】

利息総額を有価証券の利息勘定で収益計上し、入金額を受け取った資産の勘定に、差し引かれた所得税及び復興特別所得税を仮払法人税に計上する。

※使用する有価証券の利息勘定は譲渡性預金
 の保有目的により異なる

≪仕訳イメージ≫
(普通預金)XXX (有価証券利息)XXX
(仮払法人税)XXX
譲渡性預金には、契約に応じて約定利息が支払われます。

利息は、所得税及び復興特別所得税の合計15.315%を差し引かれてた金額が入金されます。

利息が入金された場合、所得税及び復興特別所得税差し引き前の金額を有価証券の利息勘定で収益計上します。

この時使用する収益勘定は、譲渡性預金の保有目的により異なります。

例えば、売買目的である場合は『有価証券利息』勘定を使用し、満期保有目的である場合は『満期保有目的債権利息』等の勘定科目を使用します。

そして、相手勘定では入金分を普通預金等の受取った資産で計上するとともに、差し引かれた所得税及び復興特別所得税を仮払法人税に計上します。

所得税は、法人税の前払いとなるため、期末決算において法人税額より控除します。
【参考文献】
仰星監査法人(2023)『勘定科目別仕訳処理ハンドブック/Ⅰ流動資産-預金44譲渡性預金(CD)が満期償還された』
株式会社清文社
下記では、新規預け入れで取得した譲渡性預金の約定利息を受け取った場合の会計処理について、具体例を使用してご紹介します。 【参考文献】
仰星監査法人(2023)『勘定科目別仕訳処理ハンドブック/Ⅰ流動資産-預金44譲渡性預金(CD)が満期償還された』
株式会社清文社
前提条件
・A社はX1年4月1日に、下記の条件で譲渡性預金の預金証券
 を取得した。
・譲渡性預金額面金額は50,000千円で、普通預金より
 入金した
・満期日はX2年3月31日、預入期間は12カ月である
・約定利率は3%
・約定利率の利払い日は3月末及び6月末の6カ月毎である
・X1年6月30日に約定利息750千円が支払われ、所得税
 及び復興特別所得税115千円を控除した
 635千円が
 普通預金口座に入金された
・A社の決算日は3月31日
① X1年6月30日(利息受取時)
借方 貸方
普通預金 635千円※1
仮払法人税 115千円※2
有価証券利息 750千円※3
※1入金額
※2差し引かれた所得税及び復興特別所得税額
※3利息総額
利息総額を有価証券利息として収益計上し、相手勘定で入金された金額を普通預金勘定に、差し引かれた税額を仮払法人税勘定に計上します。
次のページでは、新規預け入れで取得した譲渡性預金が満期償還された場合の会計処理についてご紹介します。