外貨建価格で取得した固定資産とその減価償却費の会計処理
外貨建価格で取得した固定資産とその減価償却費は、原則として下記のように為替処理を行います。
換算のタイミング | 会計処理 |
---|---|
固定資産取得時 |
取得時の為替相場で資産計上 |
減価償却費計上時 |
固定資産取得時の為替相場で計上した帳簿価額に基づき償却費を算定 |
ただし、”外国通貨による記録”を適用している外貨建取引については、上記の限りではなく、”外国通貨による記録”について定められている会計処理に従います。
”外国通貨による記録”の具体的な会計処理については、下記のページをご参照ください。
外国通貨による記録
多通貨会計とは
純粋多通貨会計と準多通貨会計
”外国通貨による記録”の具体的な会計処理については、下記のページをご参照ください。
外国通貨による記録
多通貨会計とは
純粋多通貨会計と準多通貨会計
外貨建取引は原則として、当該取引発生時の為替相場による円換算額で記帳するため、外貨建価格で取得した固定資産は、取得時の為替相場で円換算した金額で資産計上します。
(外貨建取引等会計処理基準一1)
取得後の減価償却費は、取得時に資産計上した円建の取得価額に基づいて計算します。
下記では、外貨建価格で取得した固定資産とその減価償却費の仕訳について、具体例を使用してご紹介します。
前提条件 |
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A社は製造業を営んでおり、下記の取引を行った。
・X1年4月1日に海外より製造用設備を10,000USDで購入した ・取得した製造用設備の減価償却期間は5年を採用した ・X1年4月1日のUSDの為替相場は1USD@100円であった ・X2年3月31日のUSDの為替相場は1USD@105円であった ・A社の決算日は3月31日 |
【A社の会計処理】
① X1年4月1日(設備取得時)
① X1年4月1日(設備取得時)
借方 | 貸方 |
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機械及び装置 1,000千円※1 | 現金預金 1,000千円※1 |
※1取得時の相場@100円×購入価額10,000USD
取得した製造用設備を取得時の為替相場で円換算して資産計上します。
② X2年3月31日(決算日)
借方 | 貸方 |
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減価償却費 200千円※2 | 減価償却累計額 200千円※2 |
※2設備資産計上額1,000千円÷償却期間5年
取得時に資産計上した円建価額に基づいて、減価償却費を算定します。
次のページでは、外貨建保証債務の注記の際の換算についてご紹介します。