外貨建仮払金の会計処理
外貨建仮払金は、原則として下記のように為替処理を行います。
【外貨建仮払金の為替換算】
| 換算のタイミング | 会計処理 |
|---|---|
|
仮払時 |
金銭授受時の為替相場で資産計上 |
|
決算時 |
金銭授受時の為替相場のまま据え置き |
|
清算時 |
金銭授受時の為替相場で振替 |
ただし、”外国通貨による記録”を適用している外貨建取引については、上記の限りではなく、”外国通貨による記録”について定められている会計処理に従います。
”外国通貨による記録”の具体的な会計処理については、下記のページをご参照ください。
外国通貨による記録
多通貨会計とは
純粋多通貨会計と準多通貨会計
”外国通貨による記録”の具体的な会計処理については、下記のページをご参照ください。
外国通貨による記録
多通貨会計とは
純粋多通貨会計と準多通貨会計
外貨建仮払金は発生時に、発生時の為替相場による円換算額で資産計上します。
(外貨建取引等会計処理基準一1)
仮払金は、将来、財又はサービスの勘定に振替えられる費用性資産です。
そのため、外貨建仮払金は、外貨建会計基準で決算時の換算替の対象として規定されている外貨建金銭債権債務には該当せず、期末の為替換算替えを行う必要はありません。 (外貨建取引等会計処理基準2(1))
そのため、外貨建仮払金は、外貨建会計基準で決算時の換算替の対象として規定されている外貨建金銭債権債務には該当せず、期末の為替換算替えを行う必要はありません。 (外貨建取引等会計処理基準2(1))
外貨建仮払金の清算時には、金銭授受時の為替相場のまま、対象となる財又はサービスの勘定に振替えます。
この処理について、仮払金を直接規定した会計基準は無いものの、外貨建等引等の会計処理に関する実務指針第25項に前渡金についての記述があり、費用性資産という点で仮払金はこの前渡金と同様の性格であると考えられるため、同様の会計処理を行うことが適切であると考えられます。 (外貨建取引等の会計処理に関する実務指針第25・26項)
この処理について、仮払金を直接規定した会計基準は無いものの、外貨建等引等の会計処理に関する実務指針第25項に前渡金についての記述があり、費用性資産という点で仮払金はこの前渡金と同様の性格であると考えられるため、同様の会計処理を行うことが適切であると考えられます。 (外貨建取引等の会計処理に関する実務指針第25・26項)
下記では、外貨建仮払金の仕訳について、具体例を使用してご紹介します。
| 前提条件 |
|---|
|
A社は輸入販売業を営んでおり、下記の取引を行った。
・X1年4月1日に従業員に海外出張費用概算額10,000USDを 渡した ・X1年4月1日のUSDの為替相場は１USD＠100円であった ・X2年3月31日のUSDの為替相場は１USD＠105円であった ・X2年5月31日に出張精算を行い、10,000USDを旅費交通費 として計上した ・X2年3月31日のUSDの為替相場は１USD＠110円であった ・A社の決算日は3月31日 |
【A社の会計処理】
① X1年4月1日(仮払金支払時)
① X1年4月1日(仮払金支払時)
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 仮払金 1,000千円※1 | 現金預金 1,000千円※1 |
※1現金授受時の為替相場＠100円×10,000USD
仮払金を現金授受時の為替相場で資産計上します。
② X2年3月31日(決算日)
仮払金は費用性資産であるため、期末の為替換算は不要です。
③ X2年5月31日(出張精算時)
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 旅費交通費 1,000千円※1 | 前渡金 1,000千円※1 |
※1仮払金の帳簿価額及び旅費交通費実績額（仮払時の相場＠100円×10,000USD)
仮払金の内、旅費として使用された部分について、仮払時の為替相場のまま費用に振替えます。