社債発行時の会計処理

【社債発行時の会計処理】

■社債計上のタイミング
 社債発行時

■社債の負債計上額
 発行価額
 (額面金額と発行価額の差額は償却原価法で
 処理)

■社債発行のための支出の会計処理
 原則:『社債発行費』として支出時に
    営業外費用計上

 例外:『社債発行費』として繰延資産計上
社債は、その発行時に『社債』としての負債を認識します。 【根拠資料】
企業会計基準第10号金融商品に関する会計基準第7・55項
社債を発行した際には、その発行価額をもって社債勘定を計上します。

そのため、社債を額面金額よりも低い価額又は高い価額で発行した場合であっても、その負債計上額は、社債の額面金額ではなく、実際の発行価額となります。

旧基準下では、このような発行価額と額面金額との差額を社債発行差金として計上するとされていましたが、現行の金融商品会計基準では社債等についても償却原価法を用いて会計処理するとされているため、社債発行差金の計上は認められなくなっています。 【根拠資料】
企業会計基準第10号金融商品に関する会計基準第26・67・90項・(注5)
会計制度委員会報告第14号金融商品会計に関する実務指針第126・303項
社債募集のための広告費や、金融機関の取扱手数料等、社債を発行するために支出した費用については、原則として、『社債発行費』として支出時に一括費用計上します。

ただし、例外として『社債発行費』として繰延資産計上することが認められています。

”社債発行費の会計処理”の具体的な会計処理については、下記のページをご参照ください。
社債発行費の会計処理 【根拠資料】
繰延資産の会計処理に関する当面の取り扱い第3項(2)・(6)・(7)
下記では、社債発行時の会計処理について、具体例を使用してご紹介します。
前提条件
A社はX1年3月31日に下記の条件で社債を発行した。
・社債額面総額:100,000千円
・社債発行価額:額面100円につき、95円
・償還期限:3年
・払込金は当座預金とした
・発行の際に広告費及び金融機関手数料として3千円を
 支出している
・社債発行費は繰延資産として処理する
・A社の決算日は3月31日
【A社の会計処理】
① X1年3月31日(社債発行時)
借方 貸方
当座預金 95,000千円※1
社債発行費 3千円※2
社債 95,000千円※1
当座預金 3千円※2
※1社債の発行価額
※2社債発行のために支出した費用
発行した社債を、その発行価額で負債計上します。社債発行のための支出については、『社債発行費』として繰延資産計上します。
次のページでは、社債利息の会計処理について具体的にご紹介します。