賃借建物等に長期損害保険を付した場合の支払保険料の会計処理
(保険契約者が賃借人の場合)
【賃借建物等に付した長期損害保険の支払保険料の会計処理(保険契約者が賃借人)】
対象 | 会計処理 |
---|---|
積立保険料部分 |
保険期間の満了又は保険契約の解除若しくは失効の時まで保険積立金勘定等で資産計上 |
それ以外の部分 |
時の経過に伴い損金計上 ※短期前払費用の場合は、 支払時に一括費用計上可。 |
法人が賃借している建物等に、長期損害保険を付けることがあります。
この場合、保険料は法人が支払いますが、損害保険金の請求権は、被保険者である建物の所有者に帰属し、満期返戻金・解約返戻金及び契約者配当金の請求権は保険契約者に帰属します。
保険契約者が建物の賃借人である法人の場合、支払った保険料の内、満期返戻金の原資である積立保険料部分は、保険期間の満了又は保険契約の解除若しくは失効の時まで保険積立金勘定等で資産計上します。
積立保険料以外の部分は、純粋な危険保険料及び付加保険料に相当するため、事業経費として時の経過に伴い損金計上します。
支配保険料が支払日から1年以内の期間のものである場合は、法人税基本通達2-2-14の「短期前払費用」に該当し、その支払った額に相当する金額を継続してその支払日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、その会計処理が認められます。
なお、長期損害保険については、保険案内書や保険証券添付書類等において、積立保険料とそれ以外の金額が明示されているため、経理処理の際は、その区分された金額を用います。
ただし、役員又は使用人から借受けている建物に対する長期損害保険契約については、この限りではありません。
役員又は使用人から借受けている建物に対する長期損害保険契約の場合の会計処理は、下記のページをご参照ください。
役員又は使用人の建物等に長期損害保険を付した場合の支払保険料の会計処理
(保険契約者が法人の場合)
役員又は使用人の建物等に長期損害保険を付した場合の支払保険料の会計処理
(保険契約者が役員又は使用人の場合)
この場合、保険料は法人が支払いますが、損害保険金の請求権は、被保険者である建物の所有者に帰属し、満期返戻金・解約返戻金及び契約者配当金の請求権は保険契約者に帰属します。
保険契約者が建物の賃借人である法人の場合、支払った保険料の内、満期返戻金の原資である積立保険料部分は、保険期間の満了又は保険契約の解除若しくは失効の時まで保険積立金勘定等で資産計上します。
積立保険料以外の部分は、純粋な危険保険料及び付加保険料に相当するため、事業経費として時の経過に伴い損金計上します。
支配保険料が支払日から1年以内の期間のものである場合は、法人税基本通達2-2-14の「短期前払費用」に該当し、その支払った額に相当する金額を継続してその支払日の属する事業年度の損金の額に算入しているときは、その会計処理が認められます。
なお、長期損害保険については、保険案内書や保険証券添付書類等において、積立保険料とそれ以外の金額が明示されているため、経理処理の際は、その区分された金額を用います。
ただし、役員又は使用人から借受けている建物に対する長期損害保険契約については、この限りではありません。
役員又は使用人から借受けている建物に対する長期損害保険契約の場合の会計処理は、下記のページをご参照ください。
役員又は使用人の建物等に長期損害保険を付した場合の支払保険料の会計処理
(保険契約者が法人の場合)
役員又は使用人の建物等に長期損害保険を付した場合の支払保険料の会計処理
(保険契約者が役員又は使用人の場合)
【参考文献】
法人税法基本通達2-2-14・9-3-10
中村慈美・樋口翔太(2022)『企業の保険をめぐる税務/第2章2・Q&A26』一般財団法人大蔵財務協会
法人税法基本通達2-2-14・9-3-10
中村慈美・樋口翔太(2022)『企業の保険をめぐる税務/第2章2・Q&A26』一般財団法人大蔵財務協会
次のページでは、賃借建物等に長期損害保険を付し、かつ、保険契約者が賃貸人の場合の支払保険料の会計処理について具体的にご紹介します。