外貨建立替金の会計処理
外貨建立替金は、原則として下記のように為替処理を行います。
| 換算のタイミング | 会計処理 |
|---|---|
|
発生時 |
発生時の為替相場で資産計上 |
|
決算時 |
決算時の為替相場で換算替 ⇒換算差額は当期の為替差損 益として処理 |
|
決済時 |
決済時の換算差額は当期為替差損益に計上 |
ただし、”外国通貨による記録”を適用している外貨建取引については、上記の限りではなく、”外国通貨による記録”について定められている会計処理に従います。
”外国通貨による記録”の具体的な会計処理については、下記のページをご参照ください。
外国通貨による記録
多通貨会計とは
純粋多通貨会計と準多通貨会計
”外国通貨による記録”の具体的な会計処理については、下記のページをご参照ください。
外国通貨による記録
多通貨会計とは
純粋多通貨会計と準多通貨会計
外貨建立替金は、発生時には発生時の為替相場による円換算額で資産として計上します。
(外貨建取引等会計処理基準一1)
外貨建立替金は、外貨建金銭債権債務に該当します。そのため、決算時には、決算時の為替相場で換算替を行います。
(外貨建取引等会計処理基準一2(1)(b)・(注4))
決算時の換算で生じた換算差額は、当期の為替差損益として計上します。
(外貨建取引等会計処理基準一2(2))
また、外貨建立替金を回収した時など、その決済で生じた損益も、当期の為替差損益として処理します。
(外貨建取引等会計処理基準一3)
下記では、外貨建立替金の会計処理について、具体例を使用してご紹介します。
| 前提条件 |
|---|
|
A社は輸出販売業を営んでおり、下記の取引を行った。
・X1年3月1日に得意先Bが負担すべき送料10千USDを 立て替えた ・X1年3月1日のUSDの為替相場は１USD＠100円であった ・X1年3月31日時点で上記の立替金は未清算であった ・X1年3月31日のUSDの為替相場は１USD＠110円であった ・X1年4月1日に上記の立替金を全額清算した ・X1年4月1日のUSDの為替相場は１USD＠105円であった ・A社の決算日は3月31日 |
【A社の会計処理】
① X1年3月1日(立替時)
① X1年3月1日(立替時)
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 立替金 1,000千円※1 | 現金預金 1,000千円※1 |
※1立替時の相場＠100円×立替額10千USD
立替た送料を立替時の為替相場で立替金として計上し、相手勘定で現金預金勘定をマイナスします。
② X1年3月31日(決算日)
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 立替金 100千円※2 | 為替差益 100千円※2 |
※2決算時為替相場＠110円×外貨建立替金期末残高10千
USD-立替金円建帳簿価額1,000千円
USD-立替金円建帳簿価額1,000千円
期末に残高として残っている外貨建立替金について、決算時の為替相場で換算替します。
換算替で発生した換算差額については、為替差損益として計上します。
換算替で発生した換算差額については、為替差損益として計上します。
③ X1年4月1日(清算時)
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
|
現金預金 1,050千円※3
為替差損 50千円※5 |
立替金 1,100千円※4 |
※3決済時為替相場＠105円×決済した外貨建立替金10USD
※4外貨建立替金円建帳簿価額
※5外貨建立替金円建帳簿価額1,100千円
-円建入金額1,050千円
※4外貨建立替金円建帳簿価額
※5外貨建立替金円建帳簿価額1,100千円
-円建入金額1,050千円
立替金の円建帳簿残高をマイナスすると同時に、相手勘定で実際の現金受取額を現金預金に計上します。
決済時の換算によって出た差額は、為替差損益として計上します。
決済時の換算によって出た差額は、為替差損益として計上します。
次のページでは立替金の入金の消費税法上の取扱いについてご紹介します。