追加情報とは

追加情報の定義

追加情報とは、会計方針あるいは貸借対照表又は損益計算書等に注記すべきものとして規則等で具体的に規定しているもの以外の注記による情報をいい、利害関係人が企業集団又は会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する適正な判断を行うために必要と認められる情報である。
(追加情報の注記について第4項)



財務諸表等規則等には、財務諸表に注記すべき事項が具体的に定めれています。

しかしながら、会社にとって開示の対象となる会計事象や取引は、業種・業態やその時々の状況によって異なるため、財務諸表等規則等で明確に定められた注記事項だけでは、利害関係者が財務諸表等によって開示された情報を適切かつ十分に理解できない場合が生じます。

そこで、財務諸表等規則等では『この規則において特に定める注記事項のほか、利害関係人が会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する適切な判断を行うために必要と認められる事項があるときは、当該事項を注記しなければならない』として、明確に定められた注記事項以外の項目についても重要性が認めれる場合は、注記すべきであるとしています。

このような事項に該当するものを、『追加情報』といいます。

監査・保証実務委員会実務指針第77号『追加情報の注記について』では、『追加情報』に該当とするものが例示されています。

しかし、上述の通り、『追加情報』に該当する項目は会社の業種・業態やその時々の状況によって異なるため、どのような項目が『追加情報』に該当するかは、利害関係者が企業集団又は会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する適正な判断を行うために必要と認められる情報であるかどうかに基づき、個別に判断しなければなりません。

また、監査・保証実務委員会実務指針第77号『追加情報の注記について』で例示されている項目に該当した場合であっても、重要性が認められない場合には、追加情報として注記を行う必要はありません。
【追加情報とは】

追加情報とは下記の2つの要件を満たすもの

 ⓵財務諸表等規則等で注記すべき事項とし
  て具体的に定められていないもの

 ②利害関係者が会社の財政状態等に関する
  適正な判断を行うために必要と認められ
  る情報

⇒追加情報に該当する場合は注記が必要

※追加情報に該当するかは会社の業種・業態
 やその時々の状況によって個別に判断する

※監査・保証実務委員会実務指針第77号『追
 加情報の注記について』で具体例が例示さ
 れている
(追加情報の注記について第3・4・5・6項
財務諸表等規則第8条の5
連結財務諸表等規則第15条
中間連結財務諸表等規則第13条
中間財務諸表等規則第6条)
監査・保証実務委員会実務指針第77号『追加情報の注記について』では、下記の様なものが追加情報の具体例として紹介されています。
(1)会計方針の記載に合わせて注記すべき追加情報
  ・新たな事実の発生に伴う新たな会計処理の
 原則及び手続を採用する場合の追加情報


(2)財務諸表等の特定の科目との関連を明らかにして注記すべき追加情報
 
⓵資産の使用・運用状況の説明
  ・遊休又は一時休止の資産がある場合の追加
 情報

 
②特殊な勘定科目の説明
  ・一般的に使用頻度の少ない特殊な科目を使
 用している場合の追加情報

 
③会計基準等で注記を求めている事項
  ・会計基準等で注記が求められている追加
 情報


(3)連結・中間固有の事項
 
⓵連結固有の事項
  ・親会社の個別財務諸表の会計処理を連結上
 修正している場合の追加情報

 
②中間固有の事項
  ・中間会計期間で諸準備基金等の積立又は取
 崩しを行わない簡便的な方法を採用した場
 合の
   追加情報


(4)その他
 
⓵期間比較上説明を要する場合
  ・期末日が休日のため財政状態が通常の期末
 日の状況と異なる場合の追加情報

  
・新規事業の開始・取引形態の変更などによ
 り財政及び経営の状況が前期と比較して大
 きく変化した場合の
   追加情報

 
②後発事象に該当しないが説明を要する事項
  ・事業年度中に新株発行が決議されたが払い
 込み期日が到来していない場合の追加情報

  
・過年度の後発事象について更改又は補正・
 経過等を引き続き開示する場合の追加情報
次のページでは、四半期財務諸表・連結四半期財務諸表における追加情報の取扱いについて具体的にご紹介します。